[17日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)のフィリップ・ロウ総裁は17日、民間企業が発行する消費者向けのデジタル通貨(暗号資産=仮想通貨)は、発行企業が適切に規制されるのならば、中銀が発行するデジタル通貨(CBDC)よりも優れている可能性があると述べた。インドネシアで行われた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でのパネル討論での発言。

このパネル討論で、香港金融管理局(中央銀行、HKMA)の余偉文長官は、民間発行デジタル通貨の監視を強化すれば、暗号資産のエコシステムの一部を成す分散型金融(DeFi)プロジェクトに起因するリスクの軽減にもつながると指摘した。

各国中銀がCBDCの研究、実証実験を進める中で、民間企業が米ドルなどの既存通貨に連動し価値が安定するよう設計されたステーブルコインを発行している。しかし5月に代表的なステーブルコインのテラUSDが崩壊し、金融システムへのリスクが鮮明になった。

パネリストは、民間デジタル通貨に対する十分強力な規制システムの構築に一段の取り組みが必要との見解で一致した。

ロウ総裁は「これらのトークンがコミュニティーで広く使用されるようになるなら、国のバックアップや銀行預金と同様な規制が必要になる」と述べた。

その上で「規制面で適切に対処すれば、民間のソリューションのほうが良いと考えたくなる」とし「民間セクターは機能の設計や革新の点で中銀より優れており、中銀がデジタル通貨のシステムを確立するには多大なコストを要するとみられるからだ」と説明した。

余HKMA長官は、ステーブルコインと暗号資産交換所はDeFiプロジェクトの入り口のような存在とし「テラUSDの崩壊にもかかわらず、暗号資産とDeFiは、勢いを失うことがあってもなくなることはないと考える。これらの開発の背後にある技術と革新は将来の金融システムにとって重要になると予想されるからだ」と述べた。