[ニューヨーク 28日 ロイター] - 7月26─27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備理事会(FRB)が2会合連続で0.75%ポイント利上げを決定した。波紋をもたらしたのは終了後のパウエル議長の会見だ。次回9月の利上げ幅について明確なガイダンスを示さなかったため、投資家の間では今後の利上げペースについて思惑が交錯。ペースダウンを見込み、リスクポジションを再び増やそうとする向きも一部にある。

パウエル議長は会見で「次回の会合でも異例の大幅利上げが適切かも知れないが、それは今からその時までに得られるデータに左右される」と発言。「引き続き会合ごとに意思決定を行い、われわれの考えをできる限り明確に伝えていく」と述べた。

投資家の多くは、インフレが引き続き歴史的高水準に張り付きFRBは来年になってもタカ派姿勢を維持せざるを得ないとみている。しかし3月以降、累計2.25%ポイントの利上げで経済に一部減速感が出る中、パウエル氏の発言は、金融引き締めの終わりがようやく見えてきたことを示唆すると期待する投資家もいる。

ペン・キャピタルのピート・ダフィー最高投資責任者(CIO)は「リスク許容度を少し上げても大丈夫と思える材料が増えている」と語る。

パウエル氏の発言が伝わると、政策金利の予想を反映するフェデラルファンド(FF)金利先物は、9月の利上げ幅が0.50%ポイントになる可能性を65%織り込んだ。FOMCが始まった26日の51%弱から上昇した。

資産運用会社ロベコのマルチアセット戦略責任者、コリン・グラハム氏は、FOMCを受け強気見通しが高まり、FRBがインフレを抑制するとの確信を強めたと述べた。

ブラックロックのリック・リーダー氏も「きょうの話を聞くと、確かに政策引き締めのペースを緩めるのが可能なように思える」と述べた。同氏は、9月に0.5%ポイントの利上げ、その後「おそらく0.25%ポイントの利上げを1─2回」と予想している。

KBRAのチーフストラテジスト、バン・ヘッサー氏は、FRBが「ある意味追いついてきた」と評価。「事態の深刻さを理解し、それに対応して行動していると市場に納得させた」と述べた。

ただこの1年の急激なインフレ進行を目の当たりにした投資家の多くは、FRBのタカ派対応がピークに達したと判定するには慎重だ。

シティのアナリストは「パウエル氏の会見は市場の解釈よりもタカ派的と受け止めた」とし、コアインフレが9月の0.75%ポイント利上げを迫るとの見方を示した。

アイオニック・キャピタル・マネジメントのポートフォリオマネージャー、ダグ・フィンチャー氏も、インフレ高進に歯止めが掛かっておらず、FRBがタカ派路線から逸脱すれば、米経済はスタグフレーションに陥りかねないとみている。

次の一手について手掛かりがない今、次回FOMCまでの8週間は、引き続き経済データが市場の方向性を決めると投資家はみている。

ペン・キャピタルのダフィー氏は「市場は安堵している。弱い経済データが出れば、FRBが利上げペースを少し緩めるとみられるからだ」と語った。

(Davide Barbuscia記者、Gertrude Chavez-Dreyfuss記者)