[東京 1日 ロイター] - ANAホールディングス(HD)と日本航空(JAL)が1日発表した2022年4─6月期の連結業績は、ANAHDが最終黒字に転換、JALは赤字幅が縮小した。新型コロナウイルス流行に伴う行動制限が緩和され、旅客需要が回復した。23年3月期通期の業績見通しは両社とも据え置いた。感染者急増の第7波を受け、国内線旅客の回復ペースは鈍化傾向にあり、先行きを慎重にみている。

ANAHDは10億円の最終黒字(前年同期は511億円の赤字)と4─6月期として3年ぶりの黒字に転じた。売上高は3504億円と前年同期から76.2%伸びた。旅客需要が国内線・国際線ともに大幅に増加したほか、高単価の貨物を取り込んだ。燃油価格など変動費が膨らんだが、固定費の増加を抑えた。同社の中堀公博グループ最高財務責任者(CFO)は会見で、「通期の業績予想達成に向けて非常に順調なスタートが切れた」と振り返った。

ただ、第7波の影響は国内線を中心に影を落とし始めている。中堀CFOは、7─9月期の旅客需要はANAブランドで8割、傘下の格安航空会社ピーチ・アビエーションとの合計で「7─9月期終盤には、ほぼコロナ前に戻る」とみていたが、足元の感染拡大を受け「予約の増加基調は続いているが、少し緩やかになってきている」と指摘。同期の国内線旅客数は期初の想定よりも下振れるとの見通しを示した。国際線の旅客数は想定以上で推移しているという。

JALの4─6月期の連結業績(国際会計基準)は195億円の最終赤字(前年同期は579億円の赤字)に縮小した。旅客需要が回復し、売上高は2688億円と前年同期から倍増した。同社の菊山英樹専務執行役員によると、EBIT(財務・法人所得税前利益)は期初計画より200億円上回った。国内線は100億円下振れた一方、貨物が100億円、国際線は200億円それぞれ上振れた。

菊山氏は入国規制の緩和で「日本発の旅客需要は確実に回復に向かっている」と説明。第7波の影響については、国際線には「さほど顕著には出ていない」とも述べた。ただ、国内線に関しては「伸びるペースが鈍化した」といい、7─9月期の国内線旅客数は想定していたコロナ前の95%から80─90%に下振れるとの見方を示した。

バスやフェリーなど他の交通機関では従業員の感染者急増で乗員が確保できず、運休が相次いでいるが、航空2社は現時点で運航に影響は及んでいないという。

23年3月期の連結業績見通しは、ANAHDは従来予想の210億円の最終黒字を維持した。IBESがまとめたアナリスト9人の予測平均値200億円をやや上回る。

JALも従来通り450億円の最終黒字を予想し、IBESがまとめたアナリスト12日の予測平均値255億円を上回るが、中間配当は見送ることを決めた。