[東京 5日 ロイター] - スズキが5日発表した2022年4─6月期連結決算は、営業利益が前年同期比36.8%増の745億円となった。原材料高が利益を圧迫したが、円安が追い風となり、アジアでの値上げや主力市場であるインドの販売好調なども寄与した。世界的な景気後退リスクなどを考慮し、23年3月期通期の連結業績予想は据え置いた。

4─6月期の営業利益に対し、原材料高が297億円の減益要因となったが、為替の影響で206億円、値上げや売上構成の改善で477億円押し上げられた。

売上高は同25.8%増の1兆0633億円と、四半期ベースで過去最高となった。国内は四輪車減産の影響で2.3%の減収だったが、海外はインドやアジアで39%の増収となった。前年同期に旧豊川工場跡地の売却益を計上した反動などもあり、純利益は31.2%減の582億円だった。

世界販売は、四輪が13.9%増の71万台、二輪が30.3%増の47万2000台だった。インドの四輪販売は27.9%伸びた。前年同期が新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンで販売店の稼働制約の影響を受けていたため、その反動も出た。

長尾正彦専務役員は会見で、四輪のバックオーダー(受注残)は、日本では6月末で約20万台、インドでは新車発売で6月末から増えて足元で約35万台になっていると説明した。インドの受注残のうち、ガソリンよりも燃料代が安い圧縮天然ガス(CNG)車が4割弱を占め、「受注は順調。現場感覚でいうと、需要は落ちていない」という。

順調に生産ができれば収益につながるが、半導体不足による生産制約は続いており、需給逼迫がいつまで続くか「先行きの時間軸がまだ見通せていない」と話した。インドでは「半導体の影響を受けない車種の生産に切り替え、アフリカや中南米に送るなどのやりくりが続いている」という。

通期業績予想の見直しについては「第2四半期(7─9月期)で判断したい」とした。世界の景気動向や半導体のほか、原材料高の先行きも見通せないため。原材料高の影響額は通期で850億円とみているが、想定より「若干、悪化傾向にある」という。

通期の営業利益予想は前年比1.8%増の1950億円で、アナリスト19人の予測平均値(IBESによるコンセンサス予想)2623億円を下回っている。

通期の売上高は9.3%増の3兆9000億円、純利益は15.8%減の1350億円をそれぞれ見込む。業績予想の前提となる為替レート、四輪・二輪の世界販売計画は従来のまま変更していない。