[北京 10日 ロイター] - 中国の7月の生産者物価指数(PPI)は、建設部門の活動鈍化を背景とする原材料価格の下落で昨年2月以来の低い伸びとなった。一方、消費者物価指数(CPI)は食品が押し上げ2年ぶりの伸び率に加速した。

国家統計局の10日の発表によると、7月のPPIは前年比上昇率が4.2%で6月の6.1%から予想以上に減速し17カ月ぶりの低い伸びとなった。市場予想は4.8%上昇だった。

昨年10月に26年ぶりの高水準を記録していたPPIの伸び鈍化は、政策当局者に景気支援措置を講じる余地を与える。

キャピタル・エコノミクスは、コモディティー価格の一段の下落や供給制約の緩和を背景にPPIが年内を通じて減速すると予想。来年には一時的に下落に転じるとの見方を示した。

7月のPPIは前月比1.3%下落し、前月比として今年1月以来のマイナスを記録。金属や石油化学製品の下落が目立った。

前年比の上昇率は石炭採掘・選炭が20.7%と前月から10.7%ポイント鈍化。石油・ガス採掘も10.5%ポイント低下して43.9%となった。

PPIの鈍化は、国家統計局発表の7月の購買担当者景気指数(PMI)での投入価格低下で示唆されていた。

7月のCPIは前年比2.7%上昇。6月(2.5%上昇)から加速し2年ぶりの高い伸びとなった。市場予想(2.9%上昇)は下回った。

食品が前年比6.3%上昇し、6月(2.9%上昇)から大きく加速。豚肉価格が前年比20.2%上昇と6月(6.0%下落)から反転し、食品価格全体を押し上げた。

ただエネルギーと食品を除外したコアCPIは前年比0.8%上昇にとどまり、6月(1.0%上昇)を下回った。

CPIの加速は当局による景気支援の取り組みを複雑にしている。

ジョーンズラングラサール(JLL)のチーフエコノミストは、世界的なインフレ圧力や他の主要国の利上げを踏まえると、目先の全面的な金利引き下げの可能性は低いとの見方を示した。

HSBCのエコノミスト、エリン・シン氏は調査ノートで、CPI上昇率が中国人民銀行(中央銀行)が目標とする3%前後を引き続き下回っているため、緩和的スタンスを維持する余地を与えていると分析。

新型コロナウイウイルスの局地的な感染拡大による不透明感や不動産市場に対する弱気な見方があるため、人民銀は緩和姿勢を維持する必要がなおあるとした。