[上海/香港/ニューヨーク 12日 ロイター] - 複数の中国国有企業が12日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)からの上場廃止を自主的に進める計画を発表した。

計画を発表したのは、中国人寿保険、中国アルミ(チャルコ)、中国石油化工(シノペック)、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)、シノペック上海石化。

NYSEの米預託株式(ADS)を上場廃止にする計画をそれぞれ発表した。香港と中国本土の上場は維持する。

中国証券監督管理委員会(CSRC)は「これらの企業は米国での上場以来、資本市場の規則と規制を厳格に守ってきたが、ビジネス上の判断で自ら上場廃止の選択をした」との声明を発表。「海外の規制当局とのコミュニケーションは維持する」とした。

米中は上場企業の監査問題を巡って以前から協議を続けており、米国に上場する中国企業が米国の監査規則を順守できない場合、米国内の取引所から上場廃止になる恐れがある。

各社の声明は監査問題を巡る対立には直接言及せず、米国での取引量が他の主要市場と比べて少ないと指摘した。

ペトロチャイナは、市場によってルールが異なるため、NYSEでの上場を維持するために必要な開示義務を果たすことが「かなりの事務負担」となっていると説明した。

中国人寿とチャルコは22日に上場廃止を申請し、10日後に上場廃止となると明らかにした。シノペックとペトロチャイナは29日に申請するとしている。

NYSE、および米証券取引委員会(SEC)傘下の上場企業会計監視委員会(PCAOB)からコメントは得られていない。

米証券取引委員会(SEC)は外国企業説明責任法(HFCAA)に基づき、中国企業273社を上場廃止リスクがある企業に指定。電子商取引大手のアリババ・グループ・ホールディングやJDドットコム(京東商城)のほか、検索エンジン大手の百度(バイドゥ)などが含まれている。

中国のハイテク企業に特化したファンドを運営するクレーンシェアーズの最高投資責任者(CIO)、ブレンダン・アハーン氏は「売買高は非常に少なく、米国の時価総額も小さいため、米国の資本市場にとって損失にはならない」との見方を示した。

一部アナリストは上場廃止が監査問題の解決に役立つ可能性があると指摘。ジェフリーズのアナリストは「明るい兆しだ」とし、「どの企業を米市場で上場させ、SECの監査対象とするかを決定するのは中国政府になるというわれわれの見方と一致している」とした。