[東京 7日 ロイター] - 日野自動車は7日、エンジンの排出ガス・燃費データに関する不正問題で、生産担当などの取締役3人らが同日付で辞任したと発表した。要職にあった幹部の留任は社内外の理解を得られないと判断した。不正が行われていた約20年間の歴代社長ら6人、調査報告書で不正への関与が指摘された元役員5人には、報酬の一部返納を求める。小木曽聡社長は月額報酬の50%を6カ月分返納した上で続投する。

小木曽氏が社長に就任したのは2021年6月。不正のあった期間に在籍していなかったことを考慮して留任とし、今後は組織風土の改革など経営再建を担う。

辞任した取締役3人は生産担当の皆川誠氏、コーポレート担当の久田一郎氏、コンプライアンス推進室担当の中根健人氏。技術開発本部の長久保賢次専務役員も辞めた。いずれも日野の生え抜きだった。

会見した小木曽社長は、取締役らの辞任と歴代社長らの一部報酬返納要請に至った理由について、「直接的な不正への関与があったり、法的責任が発生したりしたわけではないが、問題が起きたときに見つけられず、経営責任が果たせなかった」と話した。

大型トラックの生産はほぼ停止しているが、車両の保守・整備や海外事業でしのいでおり、「たちどころに財務上の問題に直面しているということはない」とした。27日の第2・四半期決算で、生産が再開しない場合の最悪シナリオや仕入先への補償額などを説明するという。第1・四半期決算では補償などで約20億円の特別損失を計上した。

報酬の一部返納を求める元社長と元会長は計6人。このうち5人は親会社のトヨタ自動車が派遣した。

トヨタは同日夜に声明を出し、「日野の取り組みが実効力を伴うものになるよう、今後も協力を継続する」とした。小型トラック用エンジンの認証など支援が可能な領域や業務を通じて協力するほか、影響を受けている仕入先への対応などで知見を共有するとしている。

外部有識者による特別調査委員会の調べでは、エンジンの排出ガス試験の途中で部品を交換して数値を偽装したり、燃費試験でも実際の結果より数値をよく見せたりする不正が少なくとも2003年以前からあったことが判明した。

日野の不正拡大を受け、国土交通省は9月、同社に是正命令書を交付し、1カ月以内に再発防止策を報告するよう求めていた。