[ワシントン 18日 ロイター] - 米上院共和党による医療保険制度改革(オバマケア)改廃への取り組みは18日、前日夜に新たに党内から2人の造反が出たことで頓挫した。成長押し上げに向けた政策を掲げるトランプ大統領にとっては新たな打撃で、オバマケア撤廃という共和党の7年越しの悲願は再び暗礁に乗り上げた。

税制改革など、トランプ大統領が掲げる成長戦略の立法化を巡っても不透明感が高まったことで、金融市場は動揺。トランプ氏の政策実現能力を巡る懸念から、ドルが売られる展開となった。

トランプ大統領は遺憾とした上で、「おそらくオバマケアの崩壊を静観する状況にあるだろう。崩壊すれば民主党が歩み寄る」と指摘。オバマケアに基づき創設された保険市場が行き詰まるのを放置した上で、民主党とともに立て直しに当たるシナリオを示唆した。

共和党のマコネル上院院内総務は、代替法案の可決が見込めなくなったことで、まずオバマケアを廃止する法案の採決に踏み切る構えを示したが、党内からはすぐに反対が出た。

反対を表明したのは、シェリー・ムーア・カピト議員(ウェストバージニア州)、スーザン・コリンズ議員(メイン州)、リサ・マーカウスキー議員(アラスカ州)の3人。民主党は反対で団結しており、法案通過には、共和党は造反者を2人に抑える必要がある。

コリンズ議員は記者団に対し、「われわれの医療保険制度に深く浸透している現在の状況下で、オバマケアをまず撤廃し、今後2年間に代替案を法制化できると望むことは建設的ではない」と反対の理由を説明した。

マコネル院内総務は当初、廃止法案の採決を先行する場合、円滑な移行を確実にするため、施行まで2年の猶予期間を設ける意向を示していた。

上院共和党は18日昼、廃止法案を先行して可決すべきかについて対応を協議した。マコネル院内総務は、その後記者団に対し、上院は「近い将来に」廃止法案の採決を行う公算が大きいと述べた。

「これはわれわれ全員にとって極めて困難な経験」とした上で、税制改革やインフラ整備に向けた財政支出措置など、重要法案の立法化に向けて上院は前進する必要があるとした。

上院民主党トップのシューマー院内総務は、共和党議員に対し、民主党との協力を呼び掛けた。民主党のパティ・マリー議員はロイターに対し、保険加入者に対する助成継続など超党派の取り組みが個人の医療保険市場の安定化につながる可能性があると語った。

上院の厚生教育労働年金委員会のアレグザンダー委員長(共和党)は、数週間以内に公聴会を設定し、個人の医療保険市場の安定化策に関する意見を聞く方針を明らかにした。

*内容を追加しました。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)