[ロンドン/ジュネーブ 19日 ロイター] - トランプ米大統領が国家安全保障上の懸念から鉄鋼製品に対し輸入関税を導入した場合、欧州連合(EU)は直ちに世界貿易機関(WTO)協定の下で認められているセーフガード措置の発動に踏み切る可能性があることが関係筋の話で明らかになった。

トランプ大統領は米国の鉄鋼産業について国家安全保障に影響を及ぼす輸入品を規制できる通商拡大法232条に基づく調査に着手。米国の国家安全保障への脅威になっていると判断されれば、輸入割り当てや関税などの導入が可能になる。

こうした動きについて、国家安全保障が世界的な通商ルールに反した措置の論拠として利用されれば世界貿易の秩序が阻害されるとの非難が広がっている。

WTOの紛争処理メカニズムを通した対応には何年もかかるが、WTO協定は急激で予期されていなかった輸入増に対し緊急輸入制限を導入するセーフガード措置も整備。ブリュッセルに本拠を置く通商問題を専門とする弁護士は「セーフガード措置の導入に向け事態は動いていく」との見方を示した。

米商務省は週内にもトランプ大統領の関税計画について助言する可能性がある。米政権の関税政策は主に中国を対象とするものになると見られているが、EUは域内から米国に輸出される鉄鋼製品も影響を受ける可能性があると懸念。EU関係筋はWTOの紛争処理には少なくとも3年はかかるとし、「セーフガード措置を利用できる可能性がある」としている。