[ヒューストン/ワシントン 21日 ロイター] - 米政府はベネズエラに対して石油収入に大きな打撃を与えることを狙った金融制裁を検討している。事情に詳しいホワイトハウス高官や政策アドバイザーが明らかにした。

2人の関係者の話では、ホワイトハウスでいくつか考えられている制裁のうち最も厳しい案の1つが、ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)とのドル建て取引を禁止するもの。実施されれば、ベネズエラの原油輸出が深刻な制約を受け、同国の外貨枯渇につながる恐れがある。

トランプ政権の目的は、ベネズエラのマドゥロ大統領が目指す国内権力のさらなる強化の取り組みを断念させることにある。大幅な景気後退や通貨暴落に見舞われ、反政府デモの頻発などでこれまでに約100人の死者が出ている同国では、マドゥロ政権はますます強権的な姿勢を強めて制憲会議の設置を目指している。制憲会議は憲法修正権限を有し、現在の民主的な選挙を経た議会に優越する機関で、マドゥロ氏が独裁体制確立に向かっているとの批判が出ている。

米政府としては、金融制裁を導入すればPDVSAと取引する米企業やこれに関わる米銀を処罰することが可能となり、ベネズエラへの政治的圧力を強められる。

現在検討されているこうした制裁案は、米国がイランの核開発を止めるために発動した制裁措置に似ている面がある。これは今まで米国が打ち出した経済制裁で最も効果があった部類の1つとみなされ、実際に核開発制限合意につながった。

関係者によると、さらにベネズエラ産原油の米国輸入を禁じることや、より多くのベネズエラ政府高官およびPDVSA幹部を制裁リストに加えることなども選択肢に上がっている。