[ロンドン 24日 ロイター] - 難病で英国の病院から延命治療の停止を提案された赤ちゃんの両親が、米国での治療を希望し渡航許可を求めていた裁判で24日、両親が訴えを取り下げた。病状が進行し、回復が見込めないためだという。

この赤ちゃんは生後11カ月のチャーリー・ガードちゃんで、両親は米国での治験に一縷(いちる)の望みを託そうとしていた。

チャーリーちゃんは筋肉の衰えが進行する遺伝性の難病に侵されており、脳の障害も認められた。両親は米国へ渡って治療を受けさせることを希望し、トランプ米大統領やローマ法王も支援を表明していた。

ところが英国の裁判所は、この治療計画では治癒する可能性が低く、チャーリーちゃんの苦痛を長引かせるものでしかないとして、米国渡航を禁止した。欧州の人権裁判所もこの判断を支持した。

これに対し両親は、米コロンビア大学の平野道雄教授の治療法が、チャーリーちゃんに効果をもたらす可能性を示す新たな証拠があると主張し、渡航禁止の判断を覆そうとしていた。

だが24日、ロンドン高等法院で行われた意見陳述で、前週撮影されたMRI写真から、チャーリーちゃんの筋力が回復不可能なほど低下していることが明らかになった。

裁判所の前で会見に応じた父親のクリス・ガードさんは「チャーリーの筋肉がこれほど劣化した唯一の理由は、時間の経過だ。あまりにも多くの時間が無駄に使われてしまった」と述べた。

その上で「チャーリーへ。パパとママはあなたのことをとても愛している。これまでも、これからもずっと。そしてあなたのことを救えなかったことを申し訳なく思う」と語った。