[ワシントン 9日 ロイター] - トランプ米大統領は10日に2021会計年度(20年10月−21年9月)予算案を公表する見通しだ。複数の政権高官によると、予算は総額4兆8000億ドルに上る規模で中国やロシアからの経済的脅威に対抗するための予算を拡充。一方で、対外援助や社会セーフティーネット向け予算を21%削減するという。

中国やロシアの経済的脅威に備えた予算を拡充し、義務的経費の分野で2兆ドルの節約を目指す。

歳入は3兆8000億ドルを見込む。

メキシコとの国境沿いの「壁」建設については、20億ドルを要求する見通しで、昨年の要求額である86億ドルを大幅に下回る。米政権は昨年、議会が国防予算からの壁建設費の転用を拒否したことを受け、財源を国防予算以外にシフトさせており、政権高官によると、同予算からの追加転用は求めない考えだという。

予算案ではまた、共和、民主両党が優先課題とするインフラ投資関連予算案の財源として、1兆ドルを要求。ただ、11月の大統領選・議会選を前に両党が主要法案で合意する公算は小さいとみられる。

国防費は0.3%増の7405億ドルとなる見通し。

対外援助の要求額は441億ドルと、成立済みの前年度予算に盛り込まれた557億ドルを下回るという。

政権は向こう10年間では歳出全体を4兆4000億ドル圧縮する方針。具体的には、メディケア(高齢者・障害者向け医療保険)の処方薬価格改定で1300億ドル、メディケイド(低所得者向け医療保険)関連予算やフードスタンプ給付の縮小で2920億ドル、連邦政府の障害者給付金資格の厳格化で700億ドルをそれぞれ削減する。

トランプ氏は昨年発表した予算案にも対外援助削減を盛り込んだが、議会で強硬な反対を受けて実現しなかった。今年は選挙が控えているだけに、やはり野党・民主党が優勢な下院でこうした予算案が可決される公算は乏しい。

米財務省の7日の発表によると、2019年度の財政赤字は7年ぶりの大きさとなった。

21年度予算案は向こう10年で財政赤字が4兆6000億ドル縮小すると予想。経済成長率は平均で約3%を維持すると見込んでいる。

*内容を追加しました。