[香港 6日 ロイター] - 香港警察は6日、香港政府の「まひ」と「転覆」を計画したとして、前立法議会議員や民主活動家ら50人超を香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕した。香港保安局の李家超(ジョン・リー)局長が明らかにした。

当局は警官約1000人を動員して72に上る関連箇所を捜索し、民主活動家など53人を逮捕した。民主党のフェイスブックと香港の公共放送、香港電台(RTHK)によると、立法会(議会)前議員のト謹申氏や林卓廷(ラム・チュクテン)氏、岑敖暉(レスター・シャム)氏などが逮捕された。

李局長は記者団に対し、民主派集団は社会に「深刻な損害」を与えようと計画したと指摘。当局はいかなる破壊活動も容認しないと述べた。

民主党のフェイスブックによると、昨年9月に予定されていた立法議会選に向けて民主派が昨年夏に実施した予備選への参加が逮捕の理由という。香港と中国の政府は、予備選は国安法違反だと警告していた。

当局は結局、新型コロナウイルスを理由に立法議会選の延期を決めた。

香港メディアによると、警察は世論調査会社や法律事務所、香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)やネットメディア、スタンドニュースなどのオフィスも捜索した。

さらに、警察は今朝黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏の自宅を捜査した。同氏がツイッターとフェイスブックで明らかにした。同氏は昨年、2019年の反政府運動で違法集会を主催したなどの理由で収監された。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチの中国担当のシニア研究員、マヤ・ワン氏は、こうした強制捜査や逮捕は中国当局が香港の民主派を一掃しようとしていることの表れだと指摘した。

地元メディアによると、警察は昨年の予備選に協力した民間調査機関「香港民意研究所(HKPORI)」のオフィスも捜査した。HKPORIは予備選に投票した60万人以上の人のデータを票の集計直後に破壊している。

また、警察は国安法を巡る取り締まりに関連し、家宅捜索した法律事務所、何謝韋律師事務所(Ho, Tse, Wai & Partners)で米国人弁護士を逮捕した。

台湾当局は逮捕に「衝撃を受けた」とし、香港は「東洋の真珠」から「東洋の煉獄」に変わったと付け加えた。

米ホワイトハウスからは今のところコメントを得られていない。

バイデン次期米大統領が国務長官に起用するアントニー・ブリンケン氏はツイッターで、今回の逮捕は「普遍的権利を勇敢に主張している人々への攻撃」だと指摘。「『バイデン─ハリス』政権は香港の人々を支持し、民主主義に対する中国政府の弾圧に反対する」と表明した。

英国のラーブ外相は、「香港の政治家や活動家の大量逮捕は、共同宣言の下で守られている香港の権利と自由に対する重大な攻撃だ」と非難した。

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