[ブリュッセル 11日 ロイター] - 欧州連合(EU)は11日、新型コロナウイルスワクチンの供給契約に違反したとして、英製薬大手・アストラゼネカに対する2件目の訴訟を起こした。賠償請求につながる可能性もある。

EUは、ワクチン供給の遅れを巡り4月下旬にも同社を提訴し、速やかな供給加速を求めた。

アストラぜネカはこれまでに4月の訴訟について、同社は契約を順守しており、訴訟には「訴えの利益がない」と主張。同社の弁護士はこの日、既に訴訟が進められていることから、新たな訴えは不要との立場を示した。

アストラゼネカは当初、昨年12月から今年6月末までに合計3億回分のワクチンを供給することにコミットしていたが、実際これまでに納入したのは5000万回分にとどまっている。

ベルギーの裁判所で11日に開かれた審理でEUの弁護士は、この遅れに対応するため、6月末までに合計1億2000万回分を納入するようアストラゼネカに求めた。うち3000万回分は3月末までに納入されており、第2・四半期に9000万回分の供給を求めている。

アストラゼネカの弁護士はこの日の審理で、今年半ばまでに1億回分の供給を目指すという会社側の方針を確認。EUとの契約では、定められた数量を達成できるよう「最大限努める」としており、全量を供給する義務はないと主張した。

関係筋によると、新たな訴訟は主に手続きに関するものだが、アストラゼネカに賠償などが科される可能性もあるという。

EUは、損害を評価する間の暫定の額として1ユーロを求めた。EUが主張するアストラゼネカ側の契約違反に対する実際の請求については、今後決定される。