[ワシントン 14日 ロイター] - 米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が、中国共産党中央軍事委員会連合参謀部の李作成参謀長に対して、当時のトランプ大統領が中国に戦争を仕掛ける恐れがあると2回も非公式ルートで連絡していたことが分かった。米紙ワシントン・ポストが14日伝えた。

ミリー氏が李氏に電話したのは、トランプ氏の敗色が見えつつあった大統領選直前の昨年10月30日と、連邦議会議事堂が襲撃された2日後の今年1月8日。この電話でミリー氏は李氏を安心させるため、米国は冷静で攻撃をするつもりはなく、また攻撃を行う場合はあらかじめ警戒するよう伝えると明言した。

ワシントン・ポストの報道は、ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏とロバート・コスタ氏が200人もの関係者を取材してまとめた来週発売予定の新著「Peril(差し迫った危険という意味)」に基づいている。

トランプ氏は声明で、報道は「でっち上げ」だと批判。内容が事実だとすればミリー氏は反逆罪で訴追されるべきだとした。「言っておくが、中国を攻撃しようなど考えたことさえない」と述べた。

ミリー氏のオフィスはコメントを拒否した。

共和党のマルコ・ルビオ上院議員はバイデン大統領宛ての書簡で、ミリー氏を直ちに更迭するよう要求。「軍高官が米国の軍事活動に関する機密情報をリークすることがもたらす危険については言わなくても分かるはずだ」とし、大統領の外国に対する交渉力を損ねる行為だと指摘した。

ホワイトハウスのジャンピエール報道官はコメントを避け、統合参謀本部と国防総省に聞いてほしいと述べた。

ワシントン・ポストによると、ミリー氏が李氏に2回目の連絡をする動機になった一因は、ペロシ下院議長との電話だった。ペロシ氏はミリー氏に「すぐに態度が変わる大統領」が核攻撃を開始するのを防ぐための万全の措置を講じてくれと要望し、「彼(トランプ氏)は狂っている。あなたも彼が正常でないと知っているでしょう」と発言。ミリー氏は「あなたの言うことに全面的に同意します」と答えたという。