ショルツ独首相が訪日、民主的価値共有のアジア諸国と関係強化へ
4月28日、訪日中のショルツ独首相は、ロシアのプーチン大統領はウクライナで「強制的な平和」を実現することに固執しているが、機能しないと批判した(2022年 ロイター/Issei Kato)
(ロイター)
メルケル前首相の初のアジアの訪問先は中国で、中国への訪問回数は日本の倍だった。
中国はロシアのウクライナ侵攻について、あからさまなロシア批判を控えている。一方、日本は対ロシア制裁で米欧と共同歩調を取る。
ショルツ首相は「首相として、この地域への初訪問先が東京となったのは偶然ではない」と述べた。
ロシアのウクライナ侵攻はグローバル化の逆行させる傾向を強める可能性があるとしながらも、反グローバル化は「特にドイツや日本のような開かれた自由貿易国にとって選択肢ではない。必要なのは、より賢いグローバリゼーションだ」と述べた。
ロシアのプーチン大統領について、ウクライナで「強制的な平和」を実現することに固執しているが、機能しないと指摘。ロシアの攻撃に対する抑止力として強力なドイツ軍が必要との見解も示した。
岸田文雄首相はショルツ氏との共同記者会見で、ロシアによるウクライナ侵攻にドイツと共に対抗する姿勢を強調した上で、アジア地域でも武力をもって領土の境界を変えようとする動きがあることを警告した。
岸田氏は中国の領土問題に言及し、武力による現状変更は欧州だけでなくインド太平洋地域、特に東アジアで回避されなければならないとの考えを示した。
両首相はこのほか、香港で起きていることや新疆ウイグル自治区の人権状況について「深刻な懸念」を共有した。