[北京 9日 ロイター] - 中国税関総署が9日公表した統計によると、4月のドル建て輸出は前年比3.9%増加と、アナリスト予想の3.2%増を上回った。ただ、伸び率は前月の14.7%から大幅に鈍化し、2020年6月以来の低水準となった。

輸入は前年比変わらず。ロイター調査では3.0%減と予想されていた。3月は0.1%減だった。

4月の貿易収支は511億2000万ドルの黒字。予想は506億5000万ドルの黒字だった。3月は473億8000万ドルの黒字だった。

中国では新型コロナウイルス関連規制の強化が製造業生産の停止やサプライチェーン(供給網)の混乱、内需の落ち込みにつながっている。

ウクライナ戦争に伴うリスクの高まり、軟調な消費、不動産市場の低迷も経済成長の重しになっているとアナリストは指摘する。

植信投資研究院のシニアアナリスト、Chang Ran氏はリポートで「新型コロナの流行は中国の生産・供給網に大きな困難をもたらした」とした上で「東南アジアの一部の国は回復から生産拡大に移行し、中国の輸出に一部取って代わった」との見方を示した。

キャピタル・エコノミクスの中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンズプリチャード氏は、外需が弱まったことが輸出への大きな逆風になっていると述べた。

「欧州連合(EU)と米国向け輸出の落ち込みが最も大きかった。これらの地域では高インフレが家計の実質所得を圧迫している」と分析。「また電子機器輸出の減少が目立つ」とし、新型コロナに関連した中国製品への需要が弱まっているとの見方を示した。

税関総署のデータに基づくロイターの算出によると、4月の対米貿易黒字は322億ドルとなった。3月は321億ドルだった。

1─4月の輸出は前年比12.5%増加、輸入は同7.1%増加した。

輸出は人民元安が一定の支えとなった可能性がある。

ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、Zhiwei Zhang氏は、供給問題が続いているため5月の輸出加速は期待できないと述べた。

<4月のロシア向け輸出急減、ロシアからの輸入は急増>

4月のロシア向け輸出は2カ月連続で減少した。ロシアは経済制裁への対応に追われている。ロシアからの輸入は急増し、国際的に孤立するロシアには安心材料となった。

ロイターの算出によると、4月のロシア向け輸出はドル建てで前年比25.9%減。前月は7.7%減だった。

一方、4月のロシアからの輸入は56.6%増。前月は26.4%増だった。中国はロシアから石油、ガス、石炭、農産物などを輸入している。

1─4月のロシアへの輸出は前年比11.3%、ロシアからの輸入は37.8%、それぞれ増加した。

中国政府はロシアとの貿易は通常通りと繰り返し表明しているが、一部の中国企業はロシア向けの輸出を停止している。中国のドローン大手DJIは、製品が戦闘で用いられないようロシアとウクライナでの事業を一時停止した。