[東京 11日 ロイター] - 経済産業省は11日、2050年の年間CCS(二酸化炭素の回収・貯留)を1.2―2.4億トンとすることなどを含む長期ロードマップの「中間とりまとめ案」を同日午前に開かれた有識者会議に提示した。現状ではコスト負担が重いため、補助金などの政府支援で事業にインセンティブを付けていくことを想定している。

13日に開催するクリーンエネルギー戦略検討合同会合に提出する。今後、法整備に向けた課題やコスト削減などについて検討を進め、年内に最終とりまとめを行う予定。

二酸化炭素(CO2)の排出が避けられない素材産業や石油精製産業にとって、CCSは最大限活用する必要があると位置付けられている。また、再生可能エネルギーを拡大するにあたっての調整電源として不可欠とする火力発電の脱炭素化にもCCSは不可欠で、政府は、30年にCCS事業を開始する目標を掲げている。

仮に30年までに事業を開始しようとすれば、建設期間の約4年を勘案し、26年までに最終投資決定が必要となる。そのためには、23年にも実現可能性を探る研究(フィージビリティスタディ)や試掘に必要な機材調達に着手する必要があり、法整備を含む環境整備が急がれている。

温暖化ガス排出に価格を付けて削減を促すカーボンプライシング制度などが整わない現状では、分離・回収事業者、輸送・貯留事業者ともに、建設コストも操業コストも大きな負担となる。海外でも、プロジェクト初期段階での建設コストは政府が負担している例が多い。日本でも政府支援の枠組みや法整備などの環境整備を進める。中間とりまとめを行った後、6月からは法整備とコスト目標・政府支援の2つの作業部会を立ち上げて検討を進める。

ENEOSホールディングスと電源開発は10日、国内CCSの事業化調査に共同で取り組むと発表した。民間企業では国内初の計画で、経産省幹部は、政府支援の対象となり得る事業としている。