[ソウル/東京 12日 ロイター] - 日韓両国によると、北朝鮮は12日午後6時30分(0930GMT)ごろ、短距離弾道ミサイル3発を平壌郊外の順安から東岸沖に向けて発射した。今回の発射は、月内にも実施との見方が出ている核実験の兆候を米国、韓国、日本が警戒する中、韓国新大統領の就任直後というタイミングで実施された。

岸信夫防衛相も北朝鮮のミサイル発射を確認した。防衛省は3発とも最高高度約100キロで、通常軌道であれば約350キロ飛行したと分析。日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落下したと推定した。韓国軍合同参謀本部は最高速度がマッハ5、最高高度90キロで約360キロ飛行したと説明した。

岸防衛相は会見で、ウクライナへの侵攻が行われている現状での一連のミサイル発射は受け入れられないとし、北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議したと述べた。

米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と韓国の金聖翰・国家安保室長は電話会談を行い、ミサイル発射は国連決議だとして強く非難。ただ、米国や同盟国に対する当面の脅威にはならないとした。

また両氏は、バイデン米大統領の韓国訪問についても協議したという。バイデン氏は5月20─24日の日程で日韓両国を訪問する予定。

韓国大統領府の国家安全保障室も発射を非難する声明を発表。折しも北朝鮮が初めて新型コロナウイルスの感染拡大を発表したことを踏まえ、コロナ流行下で国民の苦しみを無視していると批判した。[nL3N2X404M]

ただ、人道支援を政治的相違に結びつけることはないとも指摘。新政権は新型コロナウイルスの治療法や医薬品など北朝鮮への人道支援を行う構えを見せている。

複数のアナリストは、こうした援助が停滞している北朝鮮との外交交渉を再開する契機になる可能性があると指摘している。

一方、米国家安全保障会議(NSC)報道官は12日、現時点で北朝鮮と新型コロナウイルスワクチンを共有する計画はないという認識を示した。[nL3N2X442N]

米国務省も今回の発射を非難したが、北朝鮮との外交的アプローチに引き続き尽力すると述べ、北朝鮮に対し対話への復帰を改めて呼びかけた。

米軍も声明で「ミサイル発射は、北朝鮮の不正な兵器開発が地域の不安定化につながることを浮き彫りにしている」と指摘。同盟国やパートナーと緊密に協議していると述べた。

北朝鮮による発射実験は、明らかになっているだけで今年16回目。7日には短距離の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられるものを発射した。日本の防衛省は変則軌道だったとし、昨年10月に発射したSLBMと同型と分析している。

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