[ベルン 16日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は16日、政策金利を0.5%ポイント引き上げマイナス0.25%とした。インフレに対処するために2007年9月以来15年ぶりに利上げに踏み切った。

決定を受けてスイスフランは急伸した。ロイター調査ではほぼ全てのエコノミストが金利据え置きを予想していた。

スイス中銀は15年から政策金利をマイナス0.75%としていた。

ジョルダン総裁は記者会見で「本日利上げしなければインフレ見通しは大幅に上昇する」との見方を示した。

5月に約14年ぶりの高い物価上昇率を記録したことを受け、再び行動を起こさなければならないかもしれないと表明。記者会見で「新しいインフレ予測によると、近い将来に政策金利のさらなる引き上げが必要になる可能性がある」と述べた。

また、「現在の環境では、物価上昇が最近までの事例よりも早く伝わり、また受け入れられやすくなっている」と指摘。「インフレ率が2%を超える状態が長く続くと、2次的効果が定着する恐れがある」とし「インフレの進行を考慮しないのは怠慢だ」と述べた。

追加利上げの時期や幅については示唆しなかった。中銀の予想ではインフレ率が再び2%を超えるとみられるため、どのような措置が必要か見極める必要があると語った。

<アナリストは数四半期以内の利上げを予想>

キャピタル・エコノミクスのデビッド・オックスレー氏は、次回9月の定例会合の前に再び利上げし、ゼロかプラス圏にする可能性が高いとした。

Jサフラ・サラシンのエコノミスト、カルステン・ユニアス氏は、中銀が今後4回の会合で25bpずつ利上げを行い、その後一時停止すると予想。「9月会合での50bpの利上げを排除することはできない」と述べた。

<スイスフラン、もはや過大評価でない>

ジョルダン氏は最近のフラン安については、為替市場でフランがもはや過大評価されていないことを意味しており、中銀は過度のフラン高・フラン安を抑制するため市場介入する用意があると述べた。

安全資産であるフランの上昇は、燃料・食料輸入価格の上昇を抑え、スイスのインフレの影響を弱めていたが、総裁は最近のフラン安でその傾向は弱まっていると指摘した。

声明文は「金融引き締めはインフレがスイスのモノやサービスに一段と広範囲に波及するのを防ぐのが目的だ。中期的な物価安定に見合った範囲内でインフレを安定させるために、当面は政策金利をさらに引き上げる必要性を排除できない」と説明。また、「適切な通貨情勢を確保するため、スイス中銀は必要に応じて外国為替市場で積極的に活動することもいとわない」とした。

また、メクラー理事は記者会見で、金利はインフレに対処するための主要な手段だが、必要に応じて為替介入も行うと語った。

スイス中銀は、22年のインフレ率予測を3月時点の2.1%から2.8%に引き上げた。また、23年と24年の予測についても1.9%と1.6%とし、両年とも従来の0.9%から引き上げた。

22年の国内経済成長率については、2.5%前後との予想を据え置いた。