[東京 21日 ロイター] - 岸田文雄首相は21日、物価・賃金・生活総合対策本部の初会合であいさつし、価格高騰が顕著な品目や地域の状況に応じてきめ細かな対応を講じていく方針を示した。電気料金については、消費者向けにポイント還元制度などを導入。地方創生臨時交付金を活用した、地方自治体の取り組み支援も表明した。

岸田首相は「国民の声に耳を傾け、生活に直結する食料品価格や穀物価格、エネルギー価格等の物価動向やその経済に及ぼす影響を注視し、きめ細かく、そして切れ目なく対応していく」と述べた。

食料品については、輸入小麦価格や飼料コストの抑制策に加え、農産品全般の生産コスト1割削減を目指し、グリーン農業と肥料高騰への支援を組み合わせた新しい支援金の仕組みを創設。電気料金では消費者の節電に応じたポイント制度や、節電した場合に電力会社が節電分を買い取る制度を導入し、実質的に電気代負担を軽減する。

夏の旅行シーズンを控えて旅行代金などの上昇も見込まれることから、新型コロナウイルスの感染状況の改善を見極めたうえで7月前半にも全国旅行支援も行う。

<地方創生臨時交付金を活用>

地方自治体に対する支援では、国から1兆円の地方創生臨時交付金を交付し「地域に根ざした自主的な取り組みを強力に支援する」という。効果的な取り組みは全国に情報展開していくとともに「必要に応じ5.5兆円の予備費も活用して、地方創生臨時交付金のさらなる増額を行う」としている。

継続的な賃上げにも取り組む。今年度の最低賃金について早期に全国平均1000円以上とすることを目指し、官民が連携して議論を進める。

政府は同対策本部の開催に先立ち、民間から物価動向に関するヒアリングを行った。岸田首相は冒頭あいさつで、小売業、食料品メーカー、農業者、消費者の現場で物価動向をどのように感じているか、直接話を聞く機会にしたいと述べた。ヒアリングには、民間から河野康子・日本消費者協会理事、鈴木優喜朗サンベルクス専務、前鶴俊哉ニップン社長らが参加した。

(杉山健太郎 編集:田中志保)