[バンコク 10日 ロイター] - タイ中央銀行は10日、政策金利を過去最低の0.50%から0.25%ポイント引き上げ0.75%とした。利上げは2018年12月以来約4年ぶり。経済が回復軌道に乗り、物価高への対応に舵を切った。

0.25%利上げは6対1で決定。1人は0.5%ポイントの利上げを提案した。景気回復に大きな影響を与えず、後で大幅な利上げが必要になるリスクを抑えられると主張した。

ロイター調査では、エコノミスト20人中17人が0.25%ポイントの利上げ、残りは0.50%ポイントの利上げを予想していた。

新型コロナウイルスの流行で主力の観光業が打撃を受けたことから、タイ経済はアジアの他地域と比べて回復が遅れ、これまでは景気回復の支援を政策の主軸に据えてきた。コロナ感染を抑制するための各種規制が緩和されるに伴い、観光業は今年に入って回復し始めている。

ピティ・ディスヤタット総裁補は「海外からの訪問者数が予想を上回る中、景気回復の勢いは続いている」と指摘。

「タイ経済は今年末までにコロナ禍前の状態に戻る見通しであり、勢いは今後も続くだろう」とした。

ピティ氏は22年の成長率見通しを中銀が来月見直す際に、3.3%の予想が上方修正される可能性があると述べた。今年の外国人観光客数は予想の600万人を上回る見込みとした。

中銀は、政策引き締めを段階的に進める姿勢を示唆している。タイの7月の消費者物価指数(CPI)は前年比上昇率が7.61%と、中銀目標の1─3%を大幅に上回っている。

中銀はインフレ率が年内は高水準で推移し、2023年には供給面の価格圧力が緩和され、徐々に目標範囲に低下するとの見通しを示した。「長期的に持続可能な成長と一致する水準に政策金利は正常化されるべきだ」とした。

キャピタル・エコノミクスのギャレス・レザー氏は顧客向けメモで「インフレ率が予想通り低下し成長が停滞すれば、中銀は引き締めサイクルについて緩やかなアプローチを取るだろう。政策金利は来年1.5%でピークを迎える」と予想した。

パンテオン・マクロエコノミクスのアジア新興国チーフエコノミスト、ミゲル・チャンコ氏は、来月も0.25%の利上げが行われるとの見方を示した。「9月に利上げが見送られた場合はインフレの状況が大幅に改善しているはずなので、11月の引き上げはないだろう」と分析した。