[ソウル 12日 ロイター] - 韓国の尹錫悦大統領は12日、贈賄罪などで有罪判決を受けたサムスン電子の李在鎔副会長を特別赦免(恩赦)にすると発表した。法務省は「国家経済危機」を克服するために同氏が必要と説明した。

李氏は18カ月間服役した後すでに仮釈放されており、赦免は象徴的な意味合いが強い。しかし、より自由なビジネス活動が可能になり、サムスンが大きな動きに出る可能性があるとアナリストはみている。

韓東勲法相は記者会見で「国家的経済危機の克服が急務であるため、積極的な技術投資と雇用創出を通じて成長をけん引できる実業家を慎重に選んで赦免を与えた」と述べた。

ロッテグループの辛東彬(重光昭夫)会長も赦免の対象となった。同氏は贈賄罪で2年半の有罪判決を受けている。

サムスン関係筋は主要なM&A(合併・買収)や投資案件は李氏だけが決定を下すと述べており、アナリストは同氏が復帰した時点で動きがあると予想している。

調査会社リーダーズ・インデックスのパク・ジュグン代表は「サムスンが進めていた大型M&Aや投資などのプロジェクトは、今回の赦免と連動する可能性がある。これから発表される可能性が高い」と語った。

李氏はより自由に経営に参加できるようになったが、詐欺と株式操作を巡る裁判が進行中のため、法的リスクはまだ残っているとの見方もある。

ソウル大学経営大学院のイ・ギョンムク教授は「この裁判で有罪となった場合、李氏は再び禁錮刑を受ける可能性がある」と指摘した。

李氏は今回の決定を歓迎。韓国経済のために懸命に働き「投資と雇用創出を続ける」と表明した。

李明博・元大統領の赦免は見送られた。元大統領は2018年に収賄や横領などの容疑で逮捕され、懲役17年の刑が言い渡されている。