[ワシントン 5日 ロイター] - 6日決選投票の米連邦議会中間選挙のジョージア州上院選は、多額の資金を必要とする民主主義国家・米国の選挙戦サイクルを締めくくる選挙となり、米中間選挙で最も多額の資金がつぎ込まれた争いとなる。

この選挙戦には既に4億ドル(約549億円)以上が費やされている。これは、米政治資金監視団体センター・フォー・レスポンシブ・ポリティクス(CRP)が中間選挙全体に使われたと推計する約90億ドルのうち、かなりの額を占めている。

以下にその他の民主主義国家との比較をまとめた。

<米国対インド>

民主主義国家では世界最大の人口数を誇るインド。現職のナレンドラ・モディ首相の続投が決定した2019年の選挙を巡っては、モディ氏率いる与党インド人民党(BJP)がどの野党よりも多く出資をしたことで、史上最も資金が費やされた選挙になったとの見方もある。デリーを拠点とするセンター・フォー・メディア・スタディーズによると、選挙には6000億ルピー(約9978億円)近くがかけられ、13億人を擁する同国の政治家らは、その資金を広告や大規模集会、贈答品に惜しみなく使った。

比較できるデータを入手にしくい国もあるが、インドのこの選挙における出費額は少なくとも、米共和党所属のドナルド・トランプ氏が米大統領選挙で勝利した2016年に、米連邦選挙で使われたとされる約80億ドル(約1兆円)に近い水準だと推計されている。一方で、米民主党のジョー・バイデン氏が当選した2020年の選挙で使われたとCRPが推計する160億ドル以上と比較すると、はるかに少ない。こうした点から、米国は米ドルベースで最も費用がかかる民主主義システムを持つと言える。

<ブラジル>

ラテンアメリカ最大の国であるブラジルで今年行われた選挙において、候補者らは計126億レアル(約3300億円)を費やした。大統領選挙では、左派のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ氏が右派で現職のジャイール・ボルソナロ氏を僅差で破った。通常は選挙活動期間中の過度な資金投入を制限するよう定められた選挙法に議会が「緊急」免除を設け、その後ボルソナロ氏が公共支出を相次いで発表したことを考えると、有権者を呼び込むために実際に費やされた額はもっと大きかった可能性が高い。

<英国>

富裕国の方が選挙活動費が控えめな場合が多く、これに英国も該当する。英国では2019年に1カ月ほど議会選挙戦が繰り広げられた。この結果、ボリス・ジョンソン氏が首相に選出され、また候補者の活動費用額に厳しい上限が設けられた。米国では投票日の1年以上前から選挙活動が始まることが多く、選挙管理当局は出費額の上限を設定していない。

こうした規制のおかげで、英国の選挙活動費は膨大なものにならずに済んでいる。2019年の選挙戦時には、候補者や政党、その他の政治団体は、約5600万ポンド(約93億円)しか使わなかったと、同国の選挙管理委員会は報告している。これに比べ、CRPはおよそ6500万ドル(約89億円)が、人口約600万人のミズーリ州における2022年上院選で使われたと推測している。

<フランス>

フランスも同様に出費額に対して厳しい上限が設けられている。政府によると、2022年の大統領選挙では、候補者12人全員合わせて約8300万ユーロ(約119億円)超が使われた。最も支出が多かったのは現職エマニュエル・マクロン大統領で、その額は1670万ユーロに上った。

(Jason Lange記者、Gram Slattery記者、Makini Brice記者)