Marcela Ayres Christian Kraemer

[サンパウロ 28日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が28日、ブラジル・サンパウロで開幕した。主催国ブラジルは、地政学上の問題を巡る分断を乗り越え、気候変動や貧困問題などに取り組むための経済協力に焦点を当てることに意欲を示す。一方、西側諸国間では対ロシア制裁で凍結している資産の没収を巡り意見が対立するなど、開幕後間もなく地政学的な亀裂が露呈した。

G20財務相・中央銀行総裁会議に先立ち開催された主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議でも、ロシアの凍結資産をウクライナ再建の資金に充てられるかどうかの議論が行われた。

イエレン米財務長官は27日、G7とG20の会議に先立ち、対ロシア制裁で凍結している資産を没収し、ウクライナ支援に充てる取り組みが喫緊の課題という認識を示した。ロシア資産の価値の解放には「国際法、経済および道義上の強力な根拠」があるとも強調し、ロシアがウクライナと公平な和平交渉に臨む動機になる可能性もあると述べていた。

フランスのルメール財務相は28日、ロシア資産の没収について国際法上の十分な根拠がないと主張。「ウクライナ支援に向け一段の団結が必要なときに、法的根拠が十分でなければさらなる分裂を生み出すことになる」という認識を示した。

ブラジルのアダジ財務相は開幕にあたり、世界経済は「困難な」状況にあり、G20は気候変動や貧困などの問題に取り組む必要があると強調。ブラジル当局者によると、共同声明にはウクライナやパレスチナ地区ガザに直接的な言及を避けることを提案。共同声明の経済に関する言及を巡る交渉は「非常に前向きな」雰囲気の中、首尾よく完了したという。

ロイターが27日に確認した共同声明の草案には、地域紛争についてのみ言及されていた。

一方、ドイツのリントナー財務相は、ウクライナでの戦争など地政学的問題に言及した場合のみ、共同声明に合意すると表明。また、会合ではロシアへの圧力を強めるためにウクライナへの資金提供について議論しているとし、凍結されたロシアの資産から得られる資金をウクライナに提供することも可能との見方を示した。