「自分なりに頑張っているのに成果が出ない」
「スタンスを変えろと上司に言われた」
「仕事が楽しくなるスタンスが知りたい」

自分の仕事がうまくいくときがある一方、どんなに頑張っても空回りする時期があるものです。そんなときに周りから「スタンスを変えろ」と言われたことはありませんか?同じ仕事内容であっても、仕事がデキると言われる人とデキないと言われる人には、たしかに仕事に向き合う「スタンス」の違いが存在しています。ビジネスにおけるスタンスとは、具体的にどういうことを指すのでしょうか?よく聞く言葉ですがイマイチわかりづらいのが現実かと思います。
そこで今回は広告代理店勤務時代に3000人以上のVIPと交流し、彼らの「仕事のスタンス」を観察し続けてきた、気配りのプロフェッショナル・後田良輔さんに「仕事がデキる人とデキない人のスタンスの違い」について話をうかがいました。

仕事へ向き合う会社員

成果を上げる「スタンス」に欠かせない、「他者視点」とは

「スタンス」という言葉、英語であるがゆえに意味が複数存在します。一般的にビジネス上では、「仕事への取り組む態度・姿勢」として使われることが多いでしょう。ただ、具体的にどんな態度・姿勢を良しとするのか、捉え方は人によって異なることがあります。

よくある例としては、スタンスを「自分のやる気」として捉えているケース。
「提案に対して積極的なスタンスを取る」
「絶対に負けないというスタンスで取り組む」
などという感じです。
翻訳としては合っていますが、ビジネスで言われるところの「スタンスを変えろ」「スタンスを考えろ」という観点からすると、この捉え方では成果は出ないしょう。なぜなら、やる気だけでは仕事は達成できないからです。

一方、仕事がデキる人が意識しているのは「立ち位置」です。
例えばこんなイメージです。

×自分の売りたい商品を提案する
→〇相手の課題解決に役立つ商品を提案する
×自社のために行動する
→〇相手のために行動する
×営業は嫌な仕事
→〇営業は人助け

つまり、スタンスを変えることで成果を出せる人の考えは、「相手の課題解決のための立ち位置を確保する=パートナーになる」ということだと思うのです。人は自分のために行動してくれる人に好感を持ち、どうせ頼むならその人に頼みたいと思う生き物です。
「相手のために自分はどう貢献できるのか?」。この視点をもつことが成功の秘訣だったのです。

“確実に”成果を上げるためには「ライバルとの比較」に着目する

相手の役に立つためのパートナーになることはわかったけれど、それだけでは成果につながらないこともあります。
20年前の私はそれが分からず、自分なりに相手の役に立つように頑張っているのに、周りからは「仕事に熱意がない」「もっとお客様の気持ちを考えろ」などと注意されていました。そこで仕事がデキる人をとことん観察した結果、あることに気づきました。
それは「デキる・デキないは『他人と比べて決められている』」ということでした。

例えば、学生時代のテストの点数。あなたの点数が80点だったとして、それが良い点なのかどうかは平均点によって受け取り方が異なります。平均点が90点だったら悪い点数になり、逆に平均点が40点ならとても良い点数に感じるでしょう。
同じ行動や結果でも、他人との比較で人は優劣を判断することが多いのです。仕事の出来・不出来もライバルとの比較で評価が変わってくることも大いにあります。あなたが一生懸命やることはもちろん重要です。それでも、イマイチ評価が低い、成果が上がらない人は「他人と比べて貢献が出来ているか」まで意識が及んでいない傾向があります。例えばライバル社の営業と比べて「提案の量が多い」「提案のスピードが早い」などはクライアントが判断しているその典型例です。
つまり、仕事がデキると言われている人のスタンスは、相手のパートナーになることに加えて、「他人との比較」という視点をプラスしています。どんなに相手の立ち位置に寄り添う提案であっても、ライバルより劣っていては成果が出にくくなるのは仕方がないことです。実際、私も他人と比べて上回るということを意識しただけで、同じことをしているにも関わらず、「最近、仕事ぶりが良くなった」と褒められるようになりました。
ではこれらを踏まえて、誰でも簡単に真似できるスタンスの工夫を紹介します。ぜひあなたの仕事にも取り入れてみてください。

スタンスの工夫1 他人よりも「早さ」を意識する

同じことをしているのに相手の中でのあなたの価値をぐんと上げる簡単な方法、それが「早さを意識する」ことです。例えばメールの返信。一般的には24時間以内に返信するのがマナーと言われています。でも必ず2時間以内に返信する人と比べたら、相手に対しての好感度や信頼度は変化すると思いませんか?あるいは出社時間。就業規則ピッタリの9時30分に出社する人と、その1時間前に出社する人では、周りの印象は異なると思いませんか?
このように他人と比べて早くするということを意識するだけで、周囲が感じる評価はガラリと変わっていくことになります。

スタンスの工夫2 「時間管理」も相手軸で行動する

成果を出すためのスタンスは「相手のパートナーの立ち位置で物を考えること」です。それにも関わらず時間管理は自分軸という人が多いのが現実です。仕事がデキる人は、「〇〇の提案はいつまでに進めるのが理想ですか?」「次回のアポはどちらかというと、いつがご希望ですか?」などと、相手にとっての理想の時間軸を毎回確認し、それに合わせて行動しています。
時間管理は相手目線が基本です。簡単だけど、相手があなたから感じる印象に大きな差が出る工夫です。

スタンスの工夫3 「居心地の良さ」を意識する

友人や恋人と同じように、なぜかこの人と一緒にいると居心地が良いと思う人がいるものです。その理由は意外と簡単なことだったりします。例えば相手が好きなファッションを着る、相手と同じしぐさを意識するなどがその典型です。
「ミラーリング」という心理学のテクニックがあるように、人は自分と似た人に親近感を持つ性質を持っています。クライアントの趣味や価値観などを共有し、自分も真似をするだけで相手は居心地の良さを感じ、パートナーにふさわしいと感じるようになってくれます。

【まとめ】仕事がデキる人のスタンス

以上をまとめると、ビジネスにおいて成果を生み出すスタンスとは、「相手の課題解決のための立ち位置を確保する=パートナーになる」ということです。そして「ライバルと比べて上回っているかを意識する」というのも重要なポイントです。
スタンス=やる気ではありません。相手が感じる価値を念頭に行動するのが、仕事がデキる人の工夫だったのです。慣れれば誰でもできることなので、ぜひ取り組みやすいところからやってみてください。あなたの評価や成果は、工夫次第で変えることができるのです。この機会に一度、あなたの仕事のスタンスを見直してみてはいかがでしょうか?

プロフィール
後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。
著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。