執筆日現在(10月3日)、全ての緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は解除されています。コロナ禍の中ではありますが、通常の日々が戻りつつあるようです。コロナ禍の特例措置も終わりが見えてくるとともに来年度予算の概算要求も始まり、徐々に概要が分かって来ました。助成金ごとに記載していきます。

1.雇用調整助成金のコロナ特例について

 雇用調整助成金のコロナ特例が11月30日迄の継続が発表されています。9月末迄の措置と同様に業況特例と地域特例も設けられています。令和3年12月以降の措置は今後の発表次第ですが、助成率や上限額の見直しが予定されています。

2.雇用調整助成金の歩合給がある場合の助成額算定方法の見直し

 令和3年9月1日から歩合給等を採用している企業については、雇用調整助成金の助成額の算定方法の見直しが行われています。これは、歩合給等が多い企業では、休業手当の支給率が例えば基本給100%、歩合給0%だったとしても休業手当の支払率を100%として計算されることから、雇用調整助成金の金額の方が休業手当の額より大きくなる逆転現象が起きたためです。今回の算定方法の見直しにより実際に支払った額に近い金額に修正されて算出されることになります。

3.小学校休業等対応助成金の受付再開

 令和2年度まで新型コロナウイルス感染症への対応として、臨時休業等をした小学校等に通う子どもの世話を行う労働者に対し、有給(賃金全額支給)の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた事業主に対して、その支払いをした有給分の全額を助成する制度として小学校休業等対応助成金が設けられていましたが廃止になり、労働者1人当たり5万円、1事業主50万円までしか助成されない両立支援等助成金(育児休業等支援コース(新型コロナウイルス感染症対応特例))が令和3年度に新たに設けられました。

 しかし、特別休暇制度を就業規則等に規定する必要がある等煩雑な仕組みや手続きが敬遠され活用が進まず問題になりました。

 結果として小学校休業等対応助成金の制度がほぼ令和2年度と同じ仕組みで復活して、8月からの特別有給休暇から対象になっています。フリーランス向けの小学校休業等対応支援金制度や個人申請については休業支援金の制度を活用する等の対応が取られています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21293.html

4.65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)の受付中止

 改正高齢者雇用安定法に基づく70歳までの継続雇用を促進するために、受給要件の緩和や支給申請手続きの簡素化、助成額の増額等が令和3年度から行われた65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)ですが、申請件数が多く令和3年9月24日で新規受付が中止になりました。来年度も予算措置が取られているため同様の助成金制度は継続しますが、受給要件や受給額の見直しが行われることになります。

5.令和4年度のキャリアアップ助成金制度の概要

 令和4年度もキャリアアップ助成金制度は継続しますが、正規雇用転換コースでは有期雇用契約労働者から無期雇用契約労働者へ転換した場合の助成制度が廃止されるとともに、諸手当等共通化コースも廃止となり、賞与・退職金制度コースが新たに設けられます。

筆者:岡 佳伸(特定社会保険労務士 社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表)

大手人材派遣会社などで人事労務を担当した後に、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険給付業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として活躍。
日経新聞、女性セブン等に取材記事掲載及びNHKあさイチ出演(2020年12月21日)、キャリアコンサルタント

【webサイトはこちら】
https://oka-sr.jp