脱サラし、社会保険労務士として平成18年9月に開業して間もなく満16年になるが、長いようであっという間だった。

 社会保険労務士になる前は、東京の某大手電機メーカーの子会社(従業員2500人規模)に平成5年4月に就職した。理科系大学卒で希望職種はシステムエンジニアリングだったが、バブル崩壊直後ということもあって希望は通らず、当時一番やりたくなかった営業に配属されてしまう。

 当時の自分は非常に内向的な性格で、日本の中心である東京で、しかも営業なんて絶対に無理だと思い、すぐ退職することも考えた。が、営業を経験しておけば将来どんな業種に転職したとしても絶対良い経験になると考え方を改め、結局12年間営業として頑張った。

 今思えば、この経験が社会保険労務士として活動するうえで非常に役に立っているのではないかと思っている。

 おかげさまで現在は顧問先も増え、さまざまな企業や団体に出入りさせていただいている。従業員が1〜2人の小規模零細企業から100人以上の企業までと多種多様だが、社会保険労務士の仕事として最大の魅力が、企業規模にかかわらず必ず社長に直接お会いできるということだ。仕事だけでなくゴルフなど趣味も含めて色々と話ができるというのがとても素晴らしい。

 サラリーマン時代は商談規模数億円のプロジェクトなども経験したが、大概お会いする相手先責任者は一番上役でも部長レベルで、トップと出会う機会というのはほぼなかったように思う。

 ところが今は違う。どの顧問先でも必ず最初から社長に出会える。しかも、どの社長も自社への誇りや理念、哲学などを持っており、今はそんなトップの考えに触れることがとても楽しく、自分自身の成長の糧にもなっている気がする。

 ときには問題社員などの悩みや相談を受けるが、こんな貫禄満点な社長でもこういったことで悩んでいるのかなどと人間味にも触れられ、ますます親近感を覚えたりもするのである。

 顧問料や助成金など動いている金額はサラリーマン時代の商談に比べればはるかに小さいかもしれないが、人脈形成や自分形成など得ているモノは何十倍、何百倍の財産となっているのは間違いない。だから、これからもいろんな社長に出会い、もっと多くの考え方、生き方などを吸収・経験をしていきたいと思っている。今ますます必要性が高まってきている社会保険労務士とは、そんな人間味の溢れる素敵な仕事だ。

社会保険労務士法人ルート企画 代表社員 菊地 仁士【山形】