社会保険労務士事務所を開業して今年の5月1日で4年が経過した。これまで私は精神科にて依存症の治療や自殺予防に関与し、その後、㈱ジャパンEAPシステムズという大手外部EAP機関で10年ほど企業や個人の支援と約1万6000件ほどの相談および自社の労務管理に関与していた。支援をしているときには「個人と環境の健全性や健康」の重要性を感じていた。「地域や生活空間」、「会社」という環境を見続けるうちに、もっと広い視点で支援をしていきたいと思ったのが開業のきっかけである。

 開業時に掲げた理念は「世のため、人のためになることをする」、使命は「共生共働の社会を創造する」だった。

 自身の信念として掲げたこの言葉があったからこそ、採用では全く苦労することなく、想いに共感する素晴らしい人たちが集まってくれた。採用方法も、試行錯誤する中で履歴書をもらわないことにしている。法律上必要な情報だけをもらい、ある一点のみで採用を決めている。これまでの経験の中でいろいろと挑戦する中の一つの取組みである。今のところ採用して失敗したと思う人には出会ってないことから、一定の成果はあるのだろうと思う。

 そして、今は「事業を通じていかに社会課題を解決しつつ、将来起こるだろう社会課題を防止するか」を考えている。社会保険労務士の本分だけでなく、企業や個人の本分は何だろうと考えている。だから当事務所の就業規則には会社のルールやマニュアルだけでなく、個人としてのあり方や人間性に関係する内容が記載されている。

 より良い人間関係づくりという条文があり、そこには「できる限り気持ちや考えを表現すること」「意図せず他人を傷つけた場合は素直に謝罪すること」などが書いてある。私たちは人を傷付けないで生きていくことはできない。意図せず傷付ける場合があることが想定されているなら、最後はいかに誠意を示すかしかないと思っている。これが就業規則の記載に必要なのかどうかは様ざまな意見があるだろうが、私たちは、就業規則は「経営者のメッセージ」という視点が重要だと思っているからこそ何としても記載をする必要があった。

 社会保険労務士はその人や企業の生き方や人生を支援することだと心から思っているからこそ、今行うことは「未来の生き方への挑戦」だと考えている。その想いを胸に、これからの不確実性の高いといわれる時代を労務の専門家として同志と共に歩んでいこうと思っている。

秋葉原社会保険労務士事務所 代表 脊尾 大雅【東京】