NTTなどの労働組合でつくる情報労連(野田三七生中央執行委員長)は、㈱労働新聞社の後援の下、近年の技術革新に関する講演会「2020ICTSフォーラム」を開催した。今年はインターネットによる配信を通じて実施し、労組関係者のほか、企業関係者、情報サービス産業協会といった協賛団体などから計約270人がリモートで参加した。

 冒頭、野田中央執行委員長があいさつし、「近年、IoTなどデジタルテクノロジーの進化と活用範囲が拡大しつつあったが、コロナ禍でリモートワークなど利活用の機運が一層高まり、社会や暮らしを変革させる契機となっている。あらゆる人がデジタル化の恩恵を享受できる社会を構築するためには、デジタル技術を個人や社会の幸福の向上に役立てる視点が不可欠」と述べた。

 続いて、㈱企(くわだて)のクロサカタツヤ代表取締役が、テクノロジーがもたらす影響を倫理的・法的・社会的な側面から検討し活用していく“ELSI(エルシー)”の考え方について講演した。求職者の内定辞退率をAIに判定させて情報提供し問題となった企業の事例を用いながら、AIによって求職者自身の意図や振舞いではなく同じ大学など似たような属性を持つ過去の人物のデータから評価され、実際に企業が不採用とするというケースが生じていると指摘。AIの判断エラーをゼロにはできなくても、どこまで許容し、どのように救済するかといったことを考えるうえで、ELSIの考えが重要になってくると強調した。