ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)傘下のAstralwerks Recordsは先週、ファミリーフレンドリーなDJ/プロデューサー、L.L.A.M.A.(Love, Laughter, And Music Alwaysの略字)との契約を発表した。

プレスリリースによれば、「レコード契約を結んだ初のレゴフィギュア」とのことだ。デビューシングル「Shake」にはニーヨとデレオンをフィーチャリング。ライアン・テダーとデイヴィッド・スチュワートの共作で、スチュワートはプロデュースも手がけている。スチュワートはBTS――世界最大のK-POPバンド――のスマッシュヒット作「Dynamite」の共同作曲・プロデュースを担当したことでもよく知られている。また周知のとおり、ヒット曲を連発するテダーの実力は自らのバンドにとどまらず、最近ではマイリー・サイラスやジョナス・ブラザーズなど100%人間の既存のスーパースターらの作品にも名を連ねている。

ところでL.L.A.M.A.とは何者か? Astralwerksの誕生物語によればこうだ。L.L.A.M.A.は南米のアンデス地方に生まれ、「人々をハッピーにする音楽を作りたいという夢を追い求めて」ロサンゼルスへ移住。いかにもフィクションな話だが、L.L.A.M.A.はパーティでテディと知り合う。「ダンスフロアで僕についてこれたのは彼だけだった」とは、プレスリリースに書かれたL.L.A.M.A.の言葉だ。「数日後、彼が僕の家に現れ、僕らは意気投合した。日が暮れるころには『Shake』が完成した。素晴らしい曲だった。楽しくて、エネルギッシュで、思わず踊りだしたくなる」

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少なくとも、保護者はこうした話を子供たちに語ってやれる。大人たちはラマの被り物をしたパフォーマーの正体を訝しむだろうが、Astralwerksはローリングストーン誌の取材に対し、そうした情報は企業秘密だと断言した。

「Shake」はSpotifyやApple Music、Amazonなど主要ストリーミングプラットフォームで入手できる他、VIDIYOでも閲覧することができる――プレスリリースによれば、「子供向けに開発され、子供たちの創造性や音楽への共通の情熱を称え、広げることを目的とした遊び心あふれる画期的なミュージックビデオ制作体験」だ。LEGO社とUMGの共同開発によるプラットフォームは、より安全かつ規制されたデジタル環境を提供する子供版TikTokとも言える。


世界的なパンデミックでファミリー向けの音楽に注目が集まる

LEGO社とUMGの提携から明らかなことは、世界的パンデミックでファミリー向けの音楽がかつてないほど重要な存在だということだ。学校が閉鎖され、社会活動が中止になっている今、子供たちは家に閉じこもり、親たちは教師役と遊び相手をこなしている。「子どもたちに自分自身をクリエイティブに表現する新たなキャンバスを提供して、創造性あふれる次世代のイマジネーションをかきたてたいのです」 LEGOグループのマーケティング主任、ジュリア・ゴードン氏は個別のプレスリリースでこう述べている。「研究によれば、全世界の3/4以上(79%)の親御さんが、子供たちにクリエイティブな分野でもっと自信をつけてほしいと願っています。そうした願いをかなえるべくLEGO VIDIYOを立ち上げました。音楽を愛するすべての子供たちがレゴ遊びやミュージックビデオ制作を通じて、創造性を開花する後押しをするのがLEGO VIDIYOの目的です」

またLEGO社によれば、「親の89%がクリエイティブなスキルの育成に音楽が役立つと回答。83%が自信をつけるのに役立つと答えた。またレゴブロックが創造性の育成に役立つと考える親は全体の94%で、問題解決能力を向上すると答えたのは91%、自信がつくと答えたのは89%にのぼった。また5〜12歳の子供の74%が、音楽によって友達と仲良くなれると回答。6〜10歳の半数以上が毎日音楽を聴いていることが判明した。5〜12歳の子どもと親を合わせた76%が音楽によって自分を表現できると考え、親の81%は音楽のおかげで家族がまとまり、子供との絆が深まったと答えている」

(以上のデータは2つの調査に基づいている。ひとつは、2020年5〜6月にかけて18カ所で行われたLEGO社のPlay Well Study。1歳半〜12歳の子供を持つ保護者1万8117人と、5〜12歳の子ども1万2591人の回答をもとにしている。もうひとつは、2019年にUMGが6〜10歳と11〜13歳の子供を対象に行った音楽消費調査で、イギリス、ドイツ、アメリカの1500人の子供と1200人の親にアンケートを行った)。

様々な経歴やジャンルのアーティストと積極的にコラボレーションするというL.L.A.M.A.プロジェクトの姿勢は大きな可能性を示唆している。プレスリリースの中で、L.L.A.M.A.本人もこう語っている。「レーベルは洋服代わり……僕にとって、どんな音楽スタイルもウェルカムだ」 過去を振り返ると、ファミリーミュージックの分野は欠点がつきものだった。ローリングストーン誌も1月に報じているように、子供向け音楽を演じたことのある複数のアーティストが、多様性に欠け、白人嗜好のジャンルだと口をそろえて怒りを表した。大勢が指摘しているように、インクルージョンに対する子供の理解や、自分とは違う生活に対するリスペクトは早い時期から家庭内で始まっている。本を読んだりTVを見る前に、子どもたちは音楽を耳にして影響を受けている。人格形成ツールとしての音楽の力は疑いようもない。

パンデミックによる世界の状況をふまえると、L.L.A.M.A.が存在するのは目下のところ仮想世界のみ――だがAstralwerksの代表者は、「安全が確保できたらすぐにでも、何らかの形でL.L.A.M.A.がライブパフォーマンスをする計画がある」とローリングストーン誌に語った。

from Rolling Stone US