2022年4月15日、金曜日の夜に渋谷クアトロで開催された「GALAXY MOTEL vol.5」。企画したODD Foot Worksとゲスト出演の水曜日のカンパネラ、それぞれが表現する心踊る音楽が熱いステージ上で繰り広げられていた。

当初予定されていたKroiの出演がメンバーの新型コロナウイルスの感染により見合わせとなり、水曜日のカンパネラが前回4月8日の大阪梅田での公演に引き続き急遽出演することで実現したこの日のツーマンライブ。全く違う音楽性ともとれる両者にはどこか不思議な親和性があり、記憶に残る特別なライブ空間がそこにはあった。

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開演の時間になると会場は暗転。最初の登場は水曜日のカンパネラ。暗闇の中で一曲目「ナポレオン」のキック音が会場の空気を揺らす。「後ろにいます!」というボーカル・詩羽の声が聞こえると会場の全員が後ろを振り返る。スポットライトの光の先には詩羽の姿が。会場の熱気とともに一気に拍手が沸き起こる。クールなサウンドと詩羽の力強くも儚い歌声に独特な水カンワールドへと引き込まれる。客席を歌い歩きステージに上がると、次の曲は詩羽がボーカルとなった新生・水曜日のカンパネラとしての最初のリリース楽曲である「アリス」。疾走感のあるサビに向けて刻まれるブレイクがライトの切り替わりとともに心地良い緊張と緩和をもたらす。続けて、民族音楽の影響を感じさせる個性的なナンバー「シャクシャイン」へ。様々なテイストの楽曲を堂々と歌いこなす詩羽の表現力の豊かさに序盤から驚かされた。


水曜日のカンパネラ(photo by Yosuke Torii)

「水曜日のカンパネラの詩羽です!」と自己紹介をし、「ODD Foot Worksさんから(急遽オファーの)話がきて二つ返事で快諾しました!」と出演の経緯について語った。

MCを挟んで続いての曲はお風呂をテーマにした「ディアブロ」。遊び心ある歌詞と曲の展開によって移り変わるリズムはライブではより新鮮に聞こえる。続く「バッキンガム」はコムアイ時代の水カンらしさを踏襲しながらも新しさを感じさせるアップテンポなダンスチューン。会場が一気にダンスフロアへと変容し、ビートにノリながら歌声に聞き入る観客たち。



ここからまだリリースされていない新曲を続けて披露していった。まずは渋谷にあるモヤイ像をモチーフにした新曲「モヤイ」。次に4月27日にリリースが決まっている「織姫」。詩羽の提案で観客たちはスマホライトを手に天の川を作り出す。会場全体の一体感を生み出すこの演出が今後、新生・水曜日のカンパネラの定番演出となっていくのは楽しみだ。「想像以上に綺麗だった!!私に余裕ができたらスマホで撮ってみんなにもこの景色見せるね!」と笑顔で詩羽は観客と約束を交わした。そして、続いては未発表の新曲。曲中では「大雨警報」という歌詞に続いて鋭い金属音が響き渡る。大雨を連想させる音像がまるで一つの映像作品を見ているかのようにイメージを膨らませる。続いて、明るい曲調で思わず口ずさみたくなるようなキャッチーなメロディーのナンバー「エジソン」。そして、これから始まる物語の幕開けを知らせるピアノの伴奏が流れ、旧体制からの定番曲「桃太郎」へ。最後の曲はとびきりポップでいて水カンらしいユーモラスな歌詞が魅力の「招き猫」。ステージには巨大な風船招き猫が出現し、詩羽はまるでじゃれ合う猫のような仕草を見せてパフォーマンスを締め括った。


水曜日のカンパネラ(photo by Yosuke Torii)

今回のライブで特に感じたのが、曲中の細かいセクション毎にリバーブやディレイなどのボーカルエフェクトがリアルタイムでかけられていたことだ。そのためライブでしか味わえない臨場感が常に演出されていた。また、コムアイが作り上げた水曜日のカンパネラの世界観を受け継ぎながらも、独自のキャラクターと存在感を放つ詩羽のパフォーマンスは、新体制となった水曜日のカンパネラのこれからの勢いを期待させてくれるものだった。



会場が再び暗転。すると幻想的な音色のクラッシックとともにODD Foot Worksのメンバーが続々とステージに登場。ギターのTondenhey、ベースのSunBalkan、この日サポートを務めるMPCのTaishi SatoとDJのYohji Igarashiが揃うと一曲目「SEE U DAWN」へ。シンセベースの低音に振動する会場の空気。まるで忍者のように顔をバンダナで覆ったMCのPecoriがステージに上がり、情緒的な歌声を響かせる。


ODD Foot Works(photo by Yosuke Torii)

神秘的なサウンドスケープで瞬く間に会場の空気を自分たちのものにすると、ファンク・ロックなサウンドの「JELLY FISH」へ。三曲目「逆さまの接吻」では気持ち良いカッティングギターの音と後ノリでウネるようなベースラインが最高のグルーヴを生み出す。続けて、ネオソウルを感じるお洒落でキャッチーなギターフレーズが散りばめられた楽曲「Papillon」。自由に音が連鎖されていくトラックとPecoriの冴わたるラップに煽られて、観客の熱気は序盤にしてこの日最初のピークに到達する。「調子はどうですかー?」Pecoriの問いかけに観客は拍手で応じる。メンバー紹介に移るとDJ・Yohji Igarashiが合いの手のようにレゲエホーンを鳴らす。Pecoriが「うるさっ(笑)」と冗談まじりにツッコミを入れ和やかな掛け合いを見せた。

再び演奏に入ると、心と体が自然と踊る「最高にchillな瞬間」は息つく暇もなく押し寄せる。ライブにのめり込めばのめり込む程、ジャンルを横断して彼らが体現するミクスチャーな音楽にハマっていく。不穏なシンセの音色が響くスロウテンポな楽曲「nightcrawler」でドープな世界を創出したかと思えば、明るい曲調の中でポップなフックが光る「NEASE」を演奏し、変幻自在に会場の空気を操る。続く未発表の新曲は、始まりは80年代歌謡曲を感じさせるストリングスのイントロ、そしてODO Foot Worksの真骨頂とも言える開放感のあるフック。この曲に限らず今回のライブでは存在感のある新曲が目立っていた。どの曲もODD Foot Worksらしいアイデンティティを放出しながら、今までにはない進化を感じさせるエポックメーキングな仕上がりとなっていた。今後のリリースが待ち遠しい。


ODD Foot Works(photo by Yosuke Torii)

あっという間にライブは後半戦。シティポップを感じさせるメロウなナンバー「NDW」。Tondenheyのエモーショナルなギターソロがオーディエンスの琴線に触れる。ODD Foot Worksのライブはどの曲を切り取っても最高にエモい瞬間がそこには在り、起伏に富んだサウンドとPecoriのどこか人間じみた歌声が観る者の心を強く揺さぶる。こんなに感情が掻き立てられるライブにはそうそう出会えないだろう。最後にソウルフルなメロディの「夜の学校」を歌い上げると「ありがとうございます。ODD Foot Worksでした」と告げてステージを後にした。

興奮冷め止まぬ客席からはアンコールを求める拍手が鳴り止まない。今か今かと固唾を飲んで待っているとアンコールに応じて再び5人がステージに上がる。「アンコールありがとうございます。新曲やっちゃいます!」と和風なギターフレーズが彩る新曲を披露し、本当のラスト曲「Tokyo Invader」へ。キャッチーなメロディとダンサブルなリズムが鳴り響き、最後の最後までチルい時間は続く。曲を締めくくると拍手喝采が沸き起こる。こうして「GALAXY MOTEL vol.5」は終演した。


ODD Foot Works(photo by Yosuke Torii)

そんな感動のライブ体験を届けてくれたODD Foot Worksの今後の活動にも目が離せない。4月30日に出演するVIVA LA ROCK 2022。そしてKroiとのリベンジライブも6月16日に渋谷クアトロにて開催される。この文章を読んでほんの少しでも感動が伝わった人には是非ライブに足を運んでみて欲しい。きっと特別なライブ体験があなたを待っているだろう。


<ライブ情報>



「GALAXY MOTEL vol.6」
2022年6月16日(木)東京・渋谷CLUB QUATTRO
出演:ODD Foot Works  
ゲスト:Kroi
料金:前売 4500円(税込・1ドリンクオーダー)
時間:open 18:15 / start 19:00
チケット一般発売 5/28(土)〜
オフィシャルサイト先行第一弾
イープラス受付期間:4/30(土)18:00〜5/8(日)23:00
受付URL:https://eplus.jp/oddfootworks-2022hp/
枚数制限:お1人様4枚まで
発券開始:6/13(月)〜
※4/15(金) “ GALAXY MOTEL vol.5 “渋谷CLUB QUATTRO公演のチケットでは入場できません。
※受付には、チケット販売会社e+(イープラス)のプレオーダーシステム(抽選制)を利用いたします。
※お申込み時、e+(イープラス)の会員登録(無料)が必要になります。
※必ず注意事項に同意の上、お申込みください。

ODD Foot Works 公式HP:https://oddfootworks.com/