祝・デビュー60周年。ボブ・ディランによる60年代の名盤『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』がアナログ・レコードで本日発売となった。

1962年3月にレコード・デビューしたボブ・ディランが、今年デビュー60周年を迎えた。デビュー・アルバム『ボブ・ディラン』の発売からおよそ一カ月後には第二作となる『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』のレコーディングを開始。ジョン・ハモンドがプロデュースした今作は、約1年に渡って8回のレコーディングの末、63年5月に発表された。ほとんどが自作による『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』は前作を上回る評判を呼び、全米チャート22位、全英では1位を獲得した出世作となった。

ディランの名を一躍世界に知らしめるきっかけとなった「風に吹かれて」はプロテスト・ソングとして公民権運動や反戦運動を通じて広く歌われた。加えて「はげしい雨が降る」など、社会性のあるこうした歌は当時の恋人スーズ・ロトロの影響があったとされ、彼女の姿はアルバム・ジャケットに登場するばかりでなく何曲かのラヴ・ソングの中にも見え隠れする。また、アイルランド民謡をアレンジした「北国の少女」など、どの歌においても豊かなストーリーを紡ぎ出し、若くして詩人としての才能を開花させており、『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』はフォーク時代の傑作にして、ディランの代表作の一枚だ。

本日発売の『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』は「ソニー自社一貫生産アナログ・レコード」で、引き続き5月25日に『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』、6月22日に『ブロンド・オン・ブロンド』の発売が決定している。連続して発売となる三作品の歌詞対訳は佐藤良明氏によるもので、リズミカルで一味違う新訳によりディランの詩の世界に新たなアプローチが生まれた。

【動画を見る】「風に吹かれて」MVと、佐藤良明による歌詞の新訳

ボブ・ディランは現在全米ツアー中で6月18日サンディエゴでの公演までが発表されている。5月10日には待望のボブ・ディラン・センターがオクラホマ州タルサにて開館。また、18年振りの自著『モダン・ソングの哲学』が日本では岩波書店から2022年度中に発刊される。



LP
『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』                                         
2022年4月27日発売 ¥4,180(税込)
購入:https://SonyMusicJapan.lnk.to/FreewheelinLP

[1] ソニーミュージックグループ自社一貫生産アナログ・レコード、180g重量盤、完全生産限定盤
[2] 2022年Sony Music Studios Tokyoにてカッティング
[3] 新対訳&訳者ノート(佐藤良明)付
[4] 日本初発売時の解説(中村とうよう、ナット・ヘントフ)、2013年解説(クリントン・ヘイリン)、補足(菅野ヘッケル)収録
[5] ジャケット外装(A式ジャケットを採用)、日本初発売時のLP帯再現

祝・デビュー60周年アナログ・レコードの詳細:https://www.110107.com/dylan_60/




佐藤良明訳による「風に吹かれて」(風に舞っている)

ひとはいくつ道を歩けば
ひと並み扱いされるのか
ハトはどれだけ海を渡れば
砂の浜で安らげるのか
どれだけ大たま砲が宙(そら)を飛べば
撃ってはならんと決まるのか
答えは、友よ、風のなか
風に舞っている


山はいくとせ在りつづけるのか
海へ崩れていくまでに
かれらはいくとせ耐えつづけるのか
自由を勝ちえていくまでに
ひとはいくたび顔をそむける
見ないふりをやめるまでに
答えは、友よ、風のなか
風に舞っている

なんど空を見上げたら
すんだ青さが見えるんだ
いったいいくつ耳を持ったら
涙の叫びが聞こえるんだ
そうさ、どれだけひとが死ねばいいんだ
もう死にすぎだとわかるまで
答えは、友よ、風のなか
風に舞っている