米アリゾナ州上院議員予備選挙でドナルド・トランプ前大統領の推薦を受けたばかりのブレイク・マスターズ候補は、先ごろPodcastに出演し、アメリカの銃犯罪の問題は「正直なところ、黒人に責任がある」と発言した。

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「この国はたしかに銃犯罪の問題を抱えているが、それはギャングによる暴力だ」。4月11日の『ジェフ・オラヴィッツ・ショウ』でのマスターズ氏の発言を、ニュースサイトDaily Beastが5日に報じた。「シカゴやセントルイスの人々が撃ち合っている。正直なところ、十中八九が黒人だ。これに対して民主党は手を打とうとしない」

さらにマスターズ氏は――「大いなる交代」論を吹聴し、2020年大統領選挙で勝利したのはトランプ氏だと誤った主張を展開している――民主党が「憲法修正第2条を好まない」のは「ひとえに国民に向けて準備している数々の計画が阻害されている」からだ、と続けた。

マスターズ氏は選挙運動中、人種差別や陰謀論、銃問題を拠り所としている。とくに銃は、同氏の選挙動画でも大々的に取り上げられている。「憲法修正第2条はカモ狩りのためじゃない」と動画のひとつで彼はこう言い、「ジョー・バイデンがアフガニスタンを明け渡した時にタリバンが真っ先にしたこと」は「民衆の純を取り上げること」だったと付け加えた。

現在35歳のマスターズ氏に対しては、トランプ氏の他にもタッカー・カールソン氏などが称賛を送っている。カールソン氏はマスターズ氏を「共和党の未来」と呼び、ゴールデンタイムの看板番組に同氏を度々出演させている。もう1人、トランプ氏とカールソン氏が推薦しているのがオハイオ州上院議員に出馬しているJ.D.ヴァンス氏だ。彼もまた、銃規制を敷けばなし崩し的に「憲法修正第2条が破滅される」とやきもきしている。またマスターズ氏同様、彼も右派の億万長者ピーター・ティール氏から山のような献金を受け取っている。現在まで、マスターズ氏がティール氏から受け取った献金は1350万ドルに上る。

マスターズ氏は4月、ロサンゼルスやサンフランシスコなどの都市の政治家が「犯罪を合法化している」とジェフ・オラヴィッツ氏に語った。

「彼らは犯罪について語っているが、私に言わせれば上辺だけだ」とマスターズ氏は言い、白人から銃犯罪の責任を逃れさせようとした。「彼らが犯罪に本腰を入れているなら、ギャングの暴力に真剣になっていてもいいはずだ」

複数の共和党議員はアメリカで多発する銃乱射事件に対し、民主党寄りの大都市の犯罪をあげつらう形で対応している。先々週も銃犯罪に関する公聴会でルイ・ゴーマート下院議員(共和党、テキサス州代表)が同じ手を試みたが、メアリー・ゲイ・スカンロン下院議員(民主党、ペンシルヴェニア州代表)からぴしゃりと反論された。スカンロン議員は、「現在検討されているような常識的な銃安全法が(フィラデルフィアで)可決されるのを何十年も阻止してきた」のは共和党率いるペンシルヴェニア州議会だと指摘した。

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