頂上決戦の場はドラマが多い。スポーツ取材の醍醐味(だいごみ)だが、優勝に注目するあまり、その過程の1勝の難しさをつい見落として取材することもある。この時期、真っ盛りの学童野球大会を先日見た時、1勝に懸ける思いに気付かされた▼1回戦に勝ったチームの保護者が涙ぐんでいた。春季大会で大敗した相手を延長で下したという。この間の子どもたちの成長を喜び、ボランティアで指導する監督、コーチらへの感謝が歓喜の輪となった

▼1勝の難しさと重さが身に染みた。現在、南東北で開催されているインターハイ。テニス女子沖縄尚学の我那覇真子・前田優歩組も一つの勝利を重ね自信を付け、全国の頂点に立った

▼出場したダブルスは3連覇のプレッシャーもあったのか、持ち味がなかなか出ず初戦から苦しんだ。「練習での力を出し切ることが大切。それが次へとつながる」。結果だけにこだわらない平良和己監督の助言が気持ちの硬さを取り除いていった

▼勝ち上がるごとに強気なプレーが出始めた。3回戦で第1シードを撃破。決勝は第3セットのタイブレークを制した。「1勝の積み重ね」を両選手、監督とも勝因とした

▼選手も替わる中で3連覇は快挙だ。インターハイで県勢のお家芸といわれるハンドボールやなぎなたなど他競技でも例がない。一つのプレーや一つの勝利を力に変えていく選手たちの成長は頼もしい。