磁器製のしの笛を考案した加藤愛さん(右)と、コラボした副千製陶所の副島謙一さん

 嬉野市の肥前吉田焼を次世代につなげていこうと、有志でつくる肥前吉田焼産地再生チャレンジ推進協議会(4窯元)が、九州大芸術工学部の学生5人と取り組んできたコラボ製品を発表した。しの笛や、絵巻がモチーフの茶器など斬新なアイデアを取り入れた作品ばかりで、商品化も目指す予定。代表を務める「224porcelain」の辻諭(さとし)さんは「他の産地と同様、高齢化が進み、技の伝承が難しくなっている。コラボすることで関係人口を増やしたい」と狙いを話す。

 推進協議会は昨年10月、商品開発に向けて学生たちに各窯元を訪問して吉田焼を知ってもらい、デザインなどを練ってきた。7日には嬉野市の肥前吉田焼ギャラリーでお披露目し、学生が製作過程も発表した。4年の加藤愛さんは、磁器で作ったしの笛「地産地奏」を考案。「陶磁器の販売イベントや、(茶畑に設けた)天茶台で茶と伝統芸能のイベントなど活用が考えられる」と語った。

 修士1年の久保田峻介さんの「emaki」は、絵巻をモチーフにした茶器。力士が温泉に入る様子が湯飲みの中にデザインされている。4年の武田遥さんが手がけたのは茶香炉。さまざまな茶香炉を買い集め、茶葉と火元の距離や、ホテルなどで必要とされるデザインなどを考慮し、シンプルな形を提案した。

 修士1年の田中彩生さんは、宿泊客がまず手にするボールペンを磁器で製作した。嬉野の地名の由来に関わりが深い神功皇后に着目し、「みずら」「太刀」をモチーフにした形状に仕上げた。修士1年の深海優佳さんは穴にお茶パックを入れてお風呂で使うツボ押しを紹介した。「昼間飲んだお茶パックも使える。リラックスしてもらいたい」と語った。

 辻さんは「ここまでで終わらず、ブラッシュアップなどもしながら、今後、製品化も考えていきたい」と語った。(福本真理)