よく当たる占いにはコツがあるという。作家出久根達郎さんは知人に教えられた。もっともらしい顔でこう切り出す。「あなたは家族か親類のことで、悩みを抱えていますね」。これで悩んでいない人は、まずいない◆そして「近い将来、きっと良いことが起こります」。それが「お金か愛情関係」だと断言してやる。大抵の吉事はこの二つに尽きるからである。誰にも当てはまることなのに、相手は図星だと思い込む。先人はよく言ったものである。〈人は信じたいものを信じる〉◆SNSで広がったウソの情報を半数の人が「正しい」とだまされていたと、きのう本紙にあった。しかも4人に1人は親切にそのウソを拡散させていた。広告収入めあてに閲覧数を稼ごうと、「正しさ」より「インパクト」重視の世界である。うっかりすると信じるものを間違える◆その情報が正しいかネットで調べれば、都合のいい記事は簡単に見つかる。入力したキーワード自体がウソならば当たり前である。世間知らずの若者ばかりが振り回されているわけではない。分別盛りの中高年こそ、だまされやすいらしい◆検索に慣れすぎて「答え」を探せずにいる時代。「正しさ」を伝えるのはむずかしい。むやみに正義を振りかざせば不正義になる。先人はこうも言っている。〈真実は、真実らしく見えない時がある〉(桑)


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