外国人の増加率全国1位を誇る佐賀では、歯科治療に訪れる外国人の患者さんも多くなりました。ネットの翻訳機能を使って情報共有できるようになったため、言葉の壁を乗り越えてスムーズに治療が行えるようになってきました。

 来年は明治維新150年。当時、日本中を脅かしていた「天然痘」という病気に対し、佐賀が全国に先駆けて予防接種を実施したことは有名です。ただ、英国のジェンナーが書いた論文が蘭訳され、それを和訳して佐賀藩が実施するまでに60年の歳月を要しました。

 今日はネットを利用すれば地球の裏側の情報も容易に入手できます。当時の60年は今では数カ月、あるいは数日という感覚なのかもしれません。

 歯科という医療分野は、比較的小規模の処置の積み重ねで治療を終わらせていくことが多くあります。「治療途中で転居」などといった理由で、治療を中断してしまい歯がボロボロになったという例を昔は耳にしていました。

 今ではネットを使い「子連れで受診できる」「車椅子での通院可」「訪問歯科診療」など自分が必要とする検索ワードで歯科医院を探すことができるようになったので、転居先などでも治療を中断する方は少なくなったと思います。

 一方、ネットには不特定多数に向けられた情報も多くあります。この種の情報を利用する場合には、検索者の選択の自由とともに自己責任が付随します。情報の根拠に客観性があるかどうかなど、注意して読むことが必要になってきます。

 歴史をひもとくと、モノづくり佐賀藩を明治維新の主役に押し上げたアームストロング砲や軍艦建造の背景には、情報の有効活用がありました。

 翻って現代のネット社会における医療では、あふれる情報を有効活用しながら、掛かり付けの先生の意見にも耳を傾けることが大切となってきます。自分が有する治療条件を加味して、治療の最終判断ができる関係を先生と築くことができれば、快適な歯のケアにつながっていくと思います。

(すみ矯正歯科院長 隅康二)