女優三田佳子さんの次男の例をあげるまでもなく覚せい剤の常習性は恐ろしい。一度使うとなかなか抜け出せない◆快楽の後の幻覚、妄想、錯乱。室生忠著『覚せい剤―白い粉の恐怖』(三一新書)にもあるが、一度手を染めるとなかなか抜け出せない中毒地獄に陥るという。覚せい剤や合成麻薬などの違法薬物は確実に体も心も滅ぼしていくのである◆覚せい剤とは違うが、杵島郡大町町の職員が先ごろ、大麻を自宅に隠し持っていたとして大麻取締法違反で逮捕された。吸引用パイプも見つかっていることから常習性も疑われている。この事件、「公務員が、どうして!」という驚きもあるだろうが、役場の上司や同僚が一様に「ええっ、まさか」という、この驚きは違法薬物が日常のすぐ目の前まで広がっているという驚きでもあろう◆人生を一瞬にしてフイにしてしまう薬物。そんな薬物から逃れられないわが子に「(子育てを)どこで、どう間違ったのか」と嘆いている親の姿が目に浮かぶが、「社会の決まりは守る」という“基本の基”をおろそかにしてきた結果としての哀(かな)しい例がごろごろしている◆薬物は人を選ばず、ほんの少しの心の隙間を狙って忍び込んでくる。とにかく、幼きころから「ルールや決まりは守る」ことをきちんと教えておく。これが大事である。(賢)