第99回全国高校野球選手権佐賀大会(7月8〜23日)は、ノーシードから勝ち上がった創部8年目の早稲田佐賀が春夏通じて初の甲子園出場を決め、熱戦の幕を閉じた。シード4校が準決勝を前に全て敗退するなど大混戦となった大会を振り返る。

 早稲田佐賀は投手力で躍進した。エース森田直哉、2年安在悠真の両左腕が安定。右腕松隈晴基も併せた継投で、2回戦から準々決勝の第1シード佐賀北戦までわずか1失点だった。準決勝の佐賀工戦は7失点と打ち込まれたものの、決勝では森田を中心に再び立て直し、最少失点に抑えた。

 準優勝した鳥栖は最後まで諦めない打戦の粘り強さが際立った。3回戦・唐津西戦、準々決勝・唐津商戦はともに九回1死から逆転勝ち。左腕亀川嘉輝を中心に堅守も発揮し、準決勝まですべて2点差以内の接戦を勝ち上がった。

 4強入りした佐賀工、鹿島はともにエースの奮闘ぶりが注目を集めた。佐賀工の右腕嶋大輝は5試合で532球、鹿島の左腕福島隆志は4試合で608球を投げ抜いた。真夏のマウンドに体力を奪われ、最後は力尽きたが、大会を盛り上げた立役者と言ってもいい。

 今大会は全40試合中21試合が2点差以内の接戦だった。シード校の佐賀北、唐津商、佐賀商、佐賀学園が相次いで敗れたが、各チームの実力差はわずかで、どのチームにも優勝のチャンスがあった。

 決勝まで進んだ両チームは継投で勝ち上がってきており、夏の暑さが厳しさを増す中、複数の投手を擁するチームの優位さも顕著になった。

 敗れた40校は新チームが既に始動している。勝敗を分けた差は何だったのか。もう一度突き詰めて来夏の飛躍につなげてほしい。