認知症や寝たきりなど、高齢となった親の介護で重くのしかかるのが費用の問題。在宅介護でも介護施設の利用でもまとまった金額が必要となります。年金支給額や貯金残高に余裕がない場合は、期間が読めない介護に大きな不安を感じることでしょう。

そこで、この記事では在宅介護にかかる費用を算出し、介護施設を利用した場合を比較。現在、介護をされている方に経済的な視点から在宅介護と老人ホームの2択検討材料をご紹介します。これから介護をするうえでお金について気がかりな方は、ぜひ参考にしてください。

在宅介護にかかる費用は、月平均5万円

在宅介護にかかる費用は、2種類に分けられます。デイケア・デイサービスやホームヘルパー利用にかかる「介護サービス利用料」と、オムツ代や介護リフォームなどにかかる「介護サービス以外の費用」です。

家計経済研究所が2017年6月に発表した「在宅介護のお金と負担」によると、月々に在宅介護にかかる費用は平均5万円。うち、「介護サービス利用料」は1万6千円、「介護サービス以外の費用」は3万4千円でした。

介護期間は平均して5〜10年

前述の「公益財団法人 生命保険文化センター」の調査では、介護期間の平均は54.5カ月(4年7カ月)です。前述の在宅介護にかかる費用の月平均額5万円を、あくまで要介護度や認知症の有無などを考慮しない「全体的な平均」として考えると、

・5万円×54.5カ月=272.5万円

と算出できます。しかし、この調査は現在も介護を継続している人のデータも含まれるため、この数字はもっと高くなるでしょう。

老人ホームと比較すると、どちらがお得?

在宅介護にかかる費用についてご説明してきましたが、ここでは比較のために、在宅介護と高齢者福祉施設の費用の差についても紹介しましょう。
老人ホームは月々にかかる費用とは別に、入居の際に入居一時金という費用が発生する施設が多いため、留意しておきましょう。

▼有料老人ホーム
有料老人ホームには「介護付」「住宅型」「健康型」の3種類があります。 入居一時金は、有料老人ホームの設備によって数十万円から数百万円かかる場合が多く、高級有料老人ホームともなると数千万円〜数億円かかることもあります。しかし、最近は入居金0円の施設も増えています。月額料金は、家賃や食費を含めると、平均して20〜25万円ほどとなっています。

・入居一時金:0円〜数百万
・月額料金:平均20〜25万円

仮に、入居一時金が50万円、月額料金が20万円とすると、10年間で2450万円かかる試算となります。

▼特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは有料老人ホームよりも安価で利用できることで高い人気を誇っています。そのため入居には一定の条件(原則として「要介護3」以上)が設けられ、入居待ちの方も多くいます。 入居一時金はなし。月額は7〜15万円ほどと、有料老人ホームよりも安価となっています。

・入居一時金:0円
・月額料金:平均7〜15万円

仮に月額10万円とすると、10年間で1200万円の試算となります。

▼サービス付き高齢者向け住宅
高齢者に向けてバリアフリーなどに対応し、高齢者が住みやすい賃貸住宅が、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)です。 入居一時金は0円〜数百万円と、施設によって大きく差があります。 月額料金は家賃や管理費を含めて15万円〜20万円ほどです。ただし外部の介護サービスを利用することになるため、要介護度が上がると退去を迫られるケースもあるので、注意してください。

・入居一時金:0円〜数百万
・月額料金:平均15〜20万円

仮に、入居一時金なし、月額18万円とすると、10年間で2160万円かかる試算となります。