熊谷市で2015年9月、小学生姉妹を含む6人が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われたペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(32)の裁判員裁判の第10回公判が13日、さいたま地裁(佐々木直人裁判長)で開かれた。被告の精神鑑定を行った男性医師が出廷し、「被告は当時も現在も統合失調症にかかっている」と証言した。裁判では責任能力の有無や程度が最大の争点。
 鑑定は昨年3〜4月、弁護側の請求により地裁が実施した。さいたま地検による起訴前の鑑定では責任能力が問えると判断し、16年5月に起訴していた。
 医師は、現在の被告の精神状態について「自発的な行動や周囲への反応が少なく、幻聴もある」と指摘。事件前の状態に関しては、「追われている」などの被告の証言や熊谷署に所持品を残して逃走したことなどから「切迫した身の危険からの逃避行中に犯行が行われた。状況を誤って被害的に確信しており、突発的、衝動的な行動が事件に影響した可能性がある」とした。
 事件では、死体を遺棄したり、盗んだ携帯電話や車の鍵を隠す行動がみられた。医師はこの点についても「全体として精神障害で誤った思い込みによる行動の中で起きており、どこまで犯罪としての認識があるかは慎重に判断しないといけない」と述べた。