この春、大手三大キャリアの値下げを皮切りに、すでに安かったMVNO(通称・格安スマホ)までも値下げし、今まさに「通信事業者の乗換え時」を迎えています。第3弾となる今回も引き続き、ケータイジャーナリストの石野純也さんに「より安くつくプラン」の裏ワザや、総合的におすすめしたい4社などを伺いました。

第1弾では乗換前にチェックしたいポイントを確認、第2弾では、生活スタイルや家族構成による料金のプラン選びについて掘り下げてきました。第3弾は「より安くつくプラン」の裏ワザや総合的におすすめしたい4社をご紹介します。

価格重視の人はコレ!

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エリアがOKなら楽天モバイル

Rakuten UN-LIMIT VI   3278円(通信無制限の場合)

石野さんが安さにこだわったプランとしておすすめするのが前回もご紹介した楽天モバイル。第4のキャリアとして台頭し、通信し放題でありながら3大キャリアの半額以下。しかも1GBまでなら毎月0円という驚きのプランです。
ただ、注意したいのが自分の生活しているエリアの確認です。楽天自前の基地局をぞくぞくと増やしているところですが、まだまだ新しいキャリアということもあって、3大キャリアの通信網にはかないません。無制限に使用ができるのは楽天回線エリアに限られ、エリア外になると、パートナー回線(au)に切り替わり、データ容量が5GB/月に制限されてしまうので注意が必要です。エリアの確認を忘れずにしましょう!
たとえ5GBに制限されたとしても2178円、3GBまでであれば1078円という業界最安級の価格なので、とにかく価格を抑えたい場合は楽天モバイルを選択肢にしてみては。

格安スマホ・サブブランドの中で注目はコレ!

自宅にWi−Fi環境がある場合、2〜5GBの間の通信量でことたりる人がほとんどで、格安スマホの契約者の中でもっともニーズがあるのも3GBや5GBプラン。注目の格安スマホのプランをご紹介します。

【音声通話つきSIM 3GB〜5GBで注目のプラン】
nuroモバイル   3GBプラン   792円
IIJmio       4GBプラン 1078円
エキサイトモバイル 3GBプラン 1210円
イオンモバイル   3GBプラン 1298円
BIGLOBEモバイル 3GBプラン 1320円(特典:半年間440円
mineo       5GBプラン 1518円(2021年5月31日までの申し込みで3か月間330円

ここに紹介したプランはごく一部で、時期によっては驚くような値引きがあったり、キャンペーンや新規契約特典をつけているケースが多いので、ぜひこまめに各社のサイトを比較、チェックしてみましょう。

裏ワザ! eSIMの可能性は無限大

eSIMとは?

本来スマホのSIMカードは端末に挿入して使うのに対し、eSIMはカードそのものがありません。スマホに内蔵された本体一体型のSIMです。物理的なSIMカードの到着を待たなくていいので、通信事業者のウェブサイトから通信プランを契約したあと、スマホにプロファイルをダウンロードすれば、その場ですぐに契約したい通信プランを使えるようになります。日本におけるeSIMのサービスは、発展途上といった状況ですが、格安スマホのIIJmioと第4のキャリア・楽天モバイルが力を入れています。

eSIMの便利な例として一般的なのが海外渡航時です。従来は、渡航先の通信プランを利用するためには、現地の空港や日本の空港でプリペイドSIMをあらかじめ購入したり、事前にネットで海外用のプリペイドSIMカードを購入し、取り寄せておかなくてはなりませんでした。
しかし、eSIM対応のスマホがあれば、Webサイトなどから時間や場所を問わずに購入可能。設定さえスムーズに行えれば、海外での通信手段を簡単に確保できて大変便利です。

※対応端末の一例
iPhoneシリーズでは、iPhone XS以降のモデルやiPhone SE(第2世代)がeSIM対応。
Andoidでは、Google Pixelシリーズの「Pixel 4」以降がeSIM対応。その他、OPPOやHUAWEI、AQUOSの一部機種も対応。逆にeSIM限定端末もあるので注意が必要。

IIJmioのeSIMプランに注目!

日本でいち早くeSIMのサービスを開始したのがIIJmio。IIJmioのeSIMサービスは、データ通信限定ですが、大手キャリアから乗り換えることなく、月額料金を節約することができるのが最大のメリットです。なんといっても、2GBで400円という破格の値段は魅力的。使い方を工夫することで、便利に使える技を石野さんが教えてくれました。
 

便利な使い方1:スマホ1台なのに2台持ち⁉︎

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IIJmioのeSIMは音声通話なしのデータ通信のみの契約のため、副回線としての使い方がおすすめ。つまり、主回線の大手キャリアでは音声通話つきの低容量帯プランに設定し、副回線にIIJmioのeSIMプランを契約すれば、価格がぐっと抑えられます。従来の2台持ちのイメージです。使うスマホが1台で済むのも嬉しいポイント。
大手キャリアの家族割などの割引プランに入っていて、契約を乗換えると家族全員に影響がある場合や、キャリアメールアドレスを継続して使いたい人には非常に便利です。

便利な使い方2:使いすぎたときの調整にも便利

月々のデータ容量を使い切った場合のデータ追加料は思った以上に高くつきます。データ量の残りがピンチのときに活用したいのがIIJmioのeSIM。1GB単位(330円〜)で利用できるので大変お買い得。使いたいときにサクッとネットから契約できて、安心です。

便利な使い方3:パソコンやタブレットに使える

もともと音声通話をしないデバイスにもおすすめ。eSIM対応のパソコンやタブレットがあれば、Wi-Fiやテザリング不要。自宅にいても外出先でも、持っているデバイスがスマホ同様にネットに接続ができるようになります。

【エリアが心配な楽天モバイルを副回線でお試しもあり!】

楽天モバイルを使ってみたいけれど、自分の住んでいるエリアが楽天回線エリアに対応しているのか心配な方は、楽天モバイルをeSIMで契約し、副回線でお試しするのがいいでしょう。万が一のときは、これまでの契約先である主回線に切り替えられるので「通信ができない、つながらない」といった心配がありません。

4Gで充分⁉︎ 5Gはマストではない!

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2020年から5G通信がはじまり、今後は5G対応スマホがますます普及してくることが予想されます。通信事業者もこぞって5G対応を押し出しており、5Gへの流れは急激に進んでいるとみていいでしょう。

スマホが5G通信になることによって得られるメリット
・動画などが外出先でも、まるで端末にある動画を再生してるかのように、スムーズに再生されるようになる
・ダウンロードやアップデートなどの処理が瞬時に終わる

より快適な通信レベルが期待できる5Gですが、その5Gに対応していないスマホだからといってあせることは必要はありません。「日本の4G通信は外国の4Gと比べてかなりレベルが高く、5Gにかなり近い4Gと言っていいと思います」と石野さん。今現在、スマホで使用するレベルで考えた場合、日本の4G通信は5G通信と比べ大きく劣るわけではないということ。急いで5Gスマホに移行したり、何が何でも5G対応の通信事業者でなくてはいけないわけではなく、通常のサイクルでスマホを買い替えるタイミングまで様子を見ていいかもしれません。

また、5Gに対応したコンテンツを利用するとなると、より解像度や作りが精密になることで、思っていた以上にデータ通信量を食ってしまうということも……。「4G通信では月々のデータ容量を超えていなかったのに、料金プランをそのままで5G通信になったら容量を超えてしまった!」なんてことも考えられます。月々のデータ使用量を注意深く見て、利用状況に応じてプランの変更を検討することを忘れずに。

音声通話のプランの選び方

携帯電話としてのデータ通信以外に大事になってくるのが音声通話です。大手キャリアも格安スマホも30秒あたり20円前後となっており、通話する頻度が高かったり、長電話をする場合は料金がかさんでしまいます。格安スマホでは「時間無制限で電話ができる」かけ放題プランを提供している事業者が少なく、そういう人に石野さんがおすすめするのは「大手キャリア、サブブランド系の時間制限のないかけ放題」。通常のプランに追加料金を払って通話料金を定額にするオプションです。そして、頻度は高いけど、長電話をしない人には、5〜10分という短時間通話がかけ放題になるオプションが使い勝手がいいかもしれません。

【かけ放題】
ドコモのかけ放題オプション       1,870円
auの通話定額               1,870円
ソフトバンクの通話定額オプション+   1,980円
Y! モバイルのスーパーだれとでも定額(S) 1,870円
UQモバイルの国内通話 かけ放題     1,870円

※格安スマホでは珍しく、通常電話のかけ放題プランを出しているのがこちら!
3GBのデータ容量がセットになった
HISモバイルの格安かけ放題プラン 2,728円
また、OCNモバイルONEも4/7から通常の電話アプリからの通話で定額料金が適応されるようになります。

【短時間通話かけ放題】
ドコモの5分通話無料オプション    770円(5分以内かけ放題)
auの通話定額ライト          770円(5分以内かけ放題)
ソフトバンクの通話 準定額オプション 880円(5分以内かけ放題)
Y! モバイルのだれとでも定額      770円(10分以内かけ放題)
UQモバイルの国内通話 10分かけ放題  770円(10分以内かけ放題)
 

上記のHISモバイルのように格安スマホで通話定額を打ち出す事業者が珍しく、多くの格安スマホ事業者は専用の通話アプリの使用を推奨しています。しかし、アプリによっては一般電話からの折り返しができないなどの制限がある場合もあるので、使い方に注意も必要です。

専門家 石野さんのオススメ

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大手キャリア:テザリングも無制限のドコモ

第2弾でもご紹介したように、データ通信無制限のプランを選ぶなら3大キャリアがおすすめ。3社ともプラン内容、価格ともにかなり似ていて、差がないようにも見えますが、スマホのモバイル通信を利用してPC、タブレット、ゲーム機などのデバイスをインターネットに接続することができる「テザリング」も使い放題なのはドコモだけ。(auもソフトバンクもテザリングに使った場合のデータ通信量に上限を設けています)

5Gギガホ プレミア  7,315円
毎月の利用可能データ量が無制限のプラン。
「テザリング」も使い放題になるのはドコモだけ。使ったデータ量が3GB以下の月は5,665円に値引きされます。

サブブランド:一人から安いUQモバイル

サブブランドの2つを比べた場合、家族割を有効活用することでかなり安くなるY! モバイルもかなり魅力的ですが、一人で契約しても安さを実感できるUQモバイルが総合的に石野さんのおすすめにあがりました。

くりこしプランS 1,628円
月々3GBのデータ容量 余ったデータ容量を無駄なく翌月まで繰り越せるプラン。
「かけ放題プラン」「10分かけ放題」「最大60分/月定額」などの通話オプションのバリエーションが豊富なのも嬉しいポイント。

オンライン専用プラン:POVOは独自のトッピング!

ahamo、povo、LINEMOの新料金ブランドは、いずれも毎月20GBのデータ利用量で月額料金が約3,000円の価格帯。おおまかな部分では共通していると言えますが、各社細かなサービス内容で違いを出しており、中でも注目なのがpovoです。
1回220円でデータ通信が24時間使い放題になるトッピング(オプション)が特徴的で、一時的に使い放題を利用することも可能になります。こういったサービスを導入したのは、大手キャリア含め、povoが初でかなり革新的なサービスと言えます。

povoの基本プラン 2,728円
月々20GBのデータ容量 
これにプラスしてトッピング(オプション)を自在につけていくスタイル

  • 5分以内通話かけ放題 550円
  • 通話かけ放題 1650円
  • 24時間限定データ使い放題 220円
  • 追加データ 1GB 550円

例えば、自宅にWi−Fiがなく、オンライン飲み会やオンライン会議でかなりの通信量が必要になる予定ができた場合、その予定の日だけ220円を支払うことで、通信量を気にせずネット環境を維持できます。適用されている間に通信したデータ量は、基本プランの20GBにはカウントされず、回数にも制限はありません。さらに、テザリング利用をしてもデータ使い放題。auの「使い放題MAX 5G/4G」では、テザリング利用の上限が30GBと制限されていることを考えると、日にちを定めてピンポイントで利用するとかなりのメリットがありそうです。

格安スマホ:nuroモバイル・IIJmio

格安スマホの最大のメリットは低価格帯であることですが、その中でもこの春思い切った値下げをしてきたのがnuroモバイルとIIJmioです。大手キャリア、そして大手キャリアのオンライン専用プランやサブブランドには通信レベルという点では、速度が遅くなる時間帯があるなど、一歩劣る部分がありますが、そういった部分を気にしない方、価格をとにかく安く抑えたい人には最高のプランです。

nuroモバイル 

VSプラン 3GB  792円
VMプラン 5GB 990円
VLプラン 8GB 1,485円

家族割など複雑な条件なしで、音声通話付きSIMが月額基本料金792円から使えるシンプル設計
とくにVM、VLプランの場合は、3か月ごとにデータ容量をプレゼント
(VM(5GB)プランは3か月ごとに3GB、VL(8GB)プランは6GBがもらえる)

IIJmio
IIJmio ギガプラン

2GB    858円
4GB   1,078円 (8GB、15GB、20GBプランもあり)

2GBから20GBまでのプランから選べて、余ったデータ量は無駄なく翌月繰り越しが可能!
家族とデータシェアもできて便利。2021年6月からはSIMの種類が違ってもデータシェアが可能になります

IIJmio eSIM 

2GB 440円
4GB 660円

eSIMの使い勝手や活用法は上記で説明した通り。ちょっと難しい部分もあるかもしれませんが、上級者にはおすすめ。
 

今回教えてくれたのは…石野純也さん

石野純也さん:ケータイジャーナリスト

慶応義塾大学総合政策学部卒業後、出版社の宝島社に入社。IT関連雑誌、書籍の編集を経て、数々の携帯電話関連のムック編集に携わる。05年に独立してジャーナリスト/ライターに転身後は、通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどモバイルに関する幅広い企業を取材。webや雑誌などを中心に執筆し、主な著書は『ケータイチルドレン』(ソフトバンク)、『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ)。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。


第3弾である今回は、とにかく安くしたい方向けのプランや石田純也さん的総合おすすめ4社をご紹介しました。それぞれの利用状況や優先順位によって最適なプランも変わってきます。自分のライフスタイルと照らし合わせ、ベストな乗換先を見つけてみましょう。

全力モーション/ライター