喫茶店界きっての有名店が集まり、喫茶店激戦区としても知られる神田エリア。それぞれが魅力的な看板メニューを掲げる中、ランチタイムにも利用したくなるようなメニューが豊富な喫茶店を紹介する。各店がこだわりを見せるコーヒーにも注目しながら、ぜひコンビで味わいたい。

カフェ・トロワバグ

伝統と革新が同居する喫茶店

グラタントースト(単品)800円。
グラタントースト(単品)800円。

神保町駅から目と鼻の先にある雑居ビルの地下で営業を行う『カフェ・トロワバグ』。シックで大人な雰囲気漂うこの店の内装は、原宿の喫茶店『アンセーニュ ダングル』などを手掛けた建築デザイナー・松樹新平さんによるデザインだ。1976年の創業当時のままを保った内装と同様、『コクテール堂』のオールドビーンズをネルドリップで一杯ずつ淹れていくコーヒーも、創業時から守り続けているものの一つである。

変わらないものがある一方、時代の変化に柔軟に対応してアップデートを加えているものもある。隣で営業するたい焼き店のあんこを使った小倉バタートーストを考案したり、創業当時から人気のグラタントーストをハーフサイズにして、付け合わせのトロワバグサラダの量を増やした新メニューを開発するなど、店主の三輪徳子さんはフードメニューの改良や追加に余念がない。そんな趣向を凝らしたフードメニューを目当てに、ランチタイムには近隣のビジネスマンや大学生など老若男女で賑わうのだ。

トロワブレンド600円。
トロワブレンド600円。
建築デザイナーの松樹新平さんが手掛けた内装。
建築デザイナーの松樹新平さんが手掛けた内装。

『カフェ・トロワバグ』店舗詳細

カフェ・トロワバグ
住所:東京都千代田区神田神保町1-12-1富田メガネB1/営業時間:10:00〜21:00(月は〜20:00、土・祝は12:00〜19:00)/定休日:日/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩すぐ

高山珈琲

上質な時間を提供する“コーヒーの達人”がいる喫茶店

シナモン・トースト600円。
シナモン・トースト600円。

中央通りと靖国通りが交差する、交差点近くの裏路地でひっそりと営業している『高山珈琲』。日中に訪れても外からの明かりがうっすらと入る程度のほの暗さと、その空間を静かに流れるジャズが大人の雰囲気を醸しだす。1994年の創業以来、まったく手を加えていない店内に、数十年ぶりに訪れるお客さんが当時を懐かしむこともしばしばだという。この店をオープンする以前から、複数の喫茶店の立ち上げに携わってきた店主の高山正秀さんは、いわば“コーヒーの達人”。2〜3年乾燥・熟成させたオールドビーンズを、高山さんお手製のネルで丁寧に淹れたら、豆の味わいを細部まで表現した一杯の完成だ。

そんなこだわりのコーヒーと一緒に楽しみたいフードメニューも充実している。トーストやサンドイッチはランチにもちょうどいいボリュームで、サービスにりんごジュースが付いてくるのもうれしい。人気ナンバーワンのシナモン・トーストは、コーヒーとの相性も◎。贅沢に生クリームをつけて頬張れば、至福の時間が訪れる。

メール550円。
メール550円。
創業以来変わらない内装。
創業以来変わらない内装。

『高山珈琲』店舗詳細

高山珈琲
住所:東京都千代田区神田須田町1-12/営業時間:8:00〜20:00/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄丸ノ内線淡路町駅・新宿線小川町駅から徒歩2分

Tee Time

フレンチプレスコーヒーとゴルフ愛が看板メニューの喫茶店

クラブサンドイッチ600円。
クラブサンドイッチ600円。

『Tee Time』は、JR神田駅からほど近い場所にある雑居ビルの2階で営業している。店主の渡辺明彦さんは大のゴルフ好き。店内のあちこちに飾られているクラブなどのゴルフグッズは、すべて渡辺さんの私物だ。そんなこの店の看板商品は、コーヒー豆の焙煎から手掛ける“プレスコーヒー”。抽出に時間を要することから看板商品に掲げる店は少ないが、それでも渡辺さんはフレンチプレスでしか味わえない美味しさを伝えたいと考えた。豆は、毎日欠かさず直火式ロースターで焙煎を行い、その後2〜3日熟成させたものを使用している。

また、クラブサンドイッチやホットサンド、ホットドッグといった、フードメニューにも渡辺さんのこだわりが光る。例えば、クラブサンドイッチに使用しているベーコンには、渡辺さんが自ら燻製を行うという、ひと手間がプラスされている。また、毎週金曜は「カレーの日」として、フードメニューがカレーのみに。渡辺さん特製のキーマカレーも、人気が高いようだ。

ストレート フレンチプレス W(本日のオススメ)650円。
ストレート フレンチプレス W(本日のオススメ)650円。
店内のあちこちに飾られているゴルフグッズ。
店内のあちこちに飾られているゴルフグッズ。

『Tee Time』店舗詳細

Tee Time(ティータイム)
住所:東京都千代田区内神田3-10-5 満留賀ビル2F/営業時間:9:00〜18:30/定休日:土・日・祝/アクセス:JR神田駅から徒歩2分、地下鉄銀座線神田駅から徒歩4分

喫茶プペ

洋食店顔負けのランチで働く人々の胃袋を支える喫茶店

特製カレー850円。
特製カレー850円。

オフィスビルが多く建ち並ぶ、比較的閑静な一画に『喫茶プぺ』はある。1970年に創業した当時のままのテーブルとイスを使用しているという1階の店内は、昔ながらの喫茶店を感じさせる風情が漂う。この店を利用するお客さんの大半が近隣で働く人という店柄、彼らの限られた時間を第一に考えたサービスを提供中だ。そのため、ゆっくり時間をかけてコーヒーを淹れることはなかなかできないというが、目黒にあるコーヒー店にこの店専用のブレンドを作ってもらうなど、豆にはしっかりこだわっている。

フードメニューも特製カレーをはじめ、オムライスやナポリタンなど洋食店に負けないクオリティの品々がそろう。中でも、ホテルのシェフからレシピを譲り受けた特製カレーは、でき上がるまでに3日かかるという手の込んだ一品。原直樹さんが2代目店長を引き継いでからも、手間を惜しまない製法を守り続けている。そんな特製カレーは、神田カレーグランプリの決勝戦に3年連続で出場も果たしている、この店の名物だ。

珈琲380円。
珈琲380円。
店内1階の様子。
店内1階の様子。

『喫茶プペ』店舗詳細

喫茶プペ
住所:東京都千代田区神田錦町3-13-11/営業時間:7:00〜19:00LO(土は11:00〜13:30LO)/定休日:日・祝/アクセス:東京メトロ東西線竹橋駅から徒歩6分、都営新宿線・三田線、東京メトロ半蔵門線神保町駅から徒歩9分

取材・文・撮影=柿崎真英