6月1日、ついにオーストラリアのソフトボールチームが群馬県太田市にやってきた。総勢約30人のチームで、全員がワクチンを接種済みだという。それはそれでいいのだが、どうもこれから続々とやってくるらしい。一説によれば900ものチームと選手が! しかも数百規模の自治体が事前合宿を受け入れる……って聞いてないよ!と思ったあなたは正直でよろしい。私はここ数カ月間、「バブル方式」「ホストタウン」「事前合宿」、この知ってるようで意外と知らない3つの言葉について、関係各所に取材してきた。結果わかったのは、なかなか衝撃的な事実だったのだ。

「バブル方式」は頼みの綱?

「ハルマゲドンでもない限り、東京オリンピックは開催するっ」とIOC最古参は宣う。

かと思えばアメリカは「日本は新型コロナウイルス感染が危ないから渡航禁止ね」とか言い出したし、国立競技場付近では反対デモが行われた。でも外野がどんなに何を言おうと日本政府も東京都も組織委員会も「絶ーっ対やるから、オリンピック!」という姿勢が垣間見える。

なんでそんなに強気に「安全安心」と彼らが言い切るのかといえば、「バブル方式」が威力を発揮するかららしい。というわけでまず「バブル方式」をおさらいしよう。どんなのかというと、

・外国人選手団は入国後2週間の待機期間は免除して即日から練習可能。その代わりに隔離は厳しくやるぞ!
・自国出発前の96時間以内に2回、日本到着時にPCR検査や抗原検査、入国後は毎日検査また検査。滞在中はとにかく陰性を維持!
・空港からは公共交通機関を使わないで宿泊先と練習・試合会場だけしか移動できない。
・最初に行動計画書と誓約書を提出すること。
・破ったら大会参加の資格認定書剥奪! ビシビシいきます!

とまあ、まるで選手団を丸ごと泡(バブル)で包んでしまうように隔離するから安全!というものだ。なんかちょっとはかないネーミングのような気もするが。

でもよーく耳をすましてほしい。彼らは「空港―宿泊先―会場」と言うが決して「空港―選手村―会場」ではない。あれ、じゃあ「宿泊先」って何? とお気づきのあなた、驚くなかれ、それはあなたの町かもしれない。

また、その場合のバブルは誰が担うのか?

あなたの町の役場職員さんたちなのですよ。実は。

最近、「事前合宿・事前キャンプを断念」というニュースをよく聞く。この「事前合宿」が選手村以外の「宿泊先」のひとつだ。漠然と自分とは関係ない地方の話だと思っているかもしれないが、実は合宿地は北海道から沖縄まで全国で数百の自治体が引き受けている。東京だって例外ではない。

ほれ、これが一覧表。
東京都内の事前キャンプ状況について(東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会東京都HP)

ついでに神奈川県。
事前キャンプ誘致に向けた取組について(神奈川県HP)

それから千葉県。
千葉県内の事前キャンプ合意状況(千葉県HP)

そんで埼玉県。
埼玉県内の事前トレーニングキャンプ決定状況(埼玉で開催!Tokyo2020)

何やらぐんと身に迫るものがあるだろう。

霧に霞む晴海の選手村。選手は試合5日前から試合後48時間だけ滞在できる。
霧に霞む晴海の選手村。選手は試合5日前から試合後48時間だけ滞在できる。

インド人事前合宿先、黒部市の場合

せっかくだから、今みんなが気になる「インド変異株」が蔓延するインド選手団を受け入れる自治体に、事前合宿事情を聞いてみた。インド選手団はワクチン接種をすると最近ニュースで見たが、それでも受け入れ自治体は大変そうだった。

まずはインド人のアーチェリー選手を招く予定の富山県黒部市の東京オリンピック・パラリンピックの担当者(以下「担当者」)に聞いてみた。

「インド選手団とは、長年ホストタウン(後述)として文化交流をしてきた仲なのですが、事前合宿がコロナ禍で受け入れ対策のハードルがどんどん高くなって大変なんです」と、黒部市の担当者は語る。

その「国の新型コロナウイルス感染対策」をもとに準備を進めた結果、

・羽田・成田空港から貸切バスで5〜6時間かけて市内の全館貸切ホテルへ
・滞在中は黒部川河川敷にあるアーチェリー場と市民総合体育館での練習のみをバス移動
・自由な外出不可なので出入り監視のため警備員を配置
・市役所職員も24時間体制で待機
・担当者も一緒にバブル突入。PCR検査を受けて同じホテルに滞在して外界との接触禁止
・買い物などは選手や市の担当スタッフと接触しない市のスタッフを別に手配
・万が一感染者が出たら、市民と同様に地元保健所の管轄であり地元医療機関が対応する

相当大変そうだけど、そこまできっちり準備しないと選手と市民の安全は守れません、と担当者は覚悟を決めている。

「そこまでするか!?」。実はこの黒部市プランを他の自治体関係者に話すと、彼らでさえ驚愕するほどの念の入れようだった。しかし東京23区内の担当者は、「地方に行けば行くほど住民の関心は高いだろうし、医療体制などの人的資源も少ない。地元住民への理解を得るためには相当気を遣うでしょうね」と、黒部市の担当者を慮る。

ちなみに「こうした対応策が選手たちに相当なストレスをかけることが考えられるので、現在はインド側と協議中。5月末までに受け入れについての方向性を決める予定です」と、黒部市担当者から私に追加の報告をいただいた。

そして6月1日午後、「インド側と双方合意のもと事前キャップを『中止』とすることとなりました」と黒部市のホームページで発表した。

インド型変異ウイルスに見舞われたインドも少しずつ快方に向かっているらしいが、東京オリンピックでは感染状況はどうなるのだろう。(写真=南風)
インド型変異ウイルスに見舞われたインドも少しずつ快方に向かっているらしいが、東京オリンピックでは感染状況はどうなるのだろう。(写真=南風)

島根県奥出雲町は早々に断念していた

余談だが富山県黒部市のアーチェリー競技といい、もう1カ所インド選手団を迎える島根県奥出雲町のホッケー競技といい、またまあ、ずいぶん主会場の東京から離れたところで、と思うだろうがこれにはわけがある。

日本国内での競技人口が少ないスポーツは、野球場のように練習・試合会場がどこにでもあるわけではない。しかし国民体育大会開催時に専用コートが造られたのを機に地元で盛んになり、子どもたちもやがて全国的に良い成績をあげるという典型的パターンがある。

だからこそ、世界トップレベルのインド人ホッケーチームやアーチェリー選手を誘致する。彼らの主目的はまさにそこであり、これらの自治体は事前合宿とは別に「ホストタウン」という国の制度にも加盟している。大会数年前からお互いの文化・スポーツ交流、事前合宿に選手の応援、そして大会後にまた交流。自治体の担当者は直接相手国と話し合いながら、ホストタウンとして本当に頑張ってきたのだった。

ところが今となってはコロナ禍のせいで「交流」の部分がすっぽり削ぎ落とされて、「事前合宿」だけが残ってしまった。「市民との交流もできないのになぜ外国人選手団を宿泊させるのだ!? と、地元の方からの厳しいお声も聞かれます」と、とある自治体の担当者は肩をすぼめた。

実を申せば、奥出雲町は3月早々に事前合宿を断念していた。

「ホストタウン交流は3年前から続けていましたが、事前合宿の合意までには至っていなかったので」と担当者は語る。昨年秋ごろからインドでの感染拡大が問題となり、年末年始に相手国へも連絡し、合宿断念が決定したのだった。

それからちょっと気になる話も聞いた。

「どうやって事前合宿をやめられたのですか?」と、いろんな自治体から問い合わせが来るというのだ。その感触からすると、「今は全国500あまりのホストタウン導入自治体のうち40余の自治体が断念としか報道されていませんが、今後さらに増えるのでは?」と担当者。

実際、私が1カ月以上もこの取材・執筆にもたついている間に、受け入れを断念した自治体は倍以上に増えていた。

ちなみに先ほど東京都にも事前合宿先があると書いたが、某区担当者に聞くと「とてもじゃないけど、こちらから断念なんてできないですよ。だって東京都はオリンピックを招致した当事者なのですから」と、こちらも別な苦悩があるようだった。

女子ホッケーインド選手団。奥出雲町での事前合宿は残念ながら中止だが、ホストタウンとして今後も交流は続く。
女子ホッケーインド選手団。奥出雲町での事前合宿は残念ながら中止だが、ホストタウンとして今後も交流は続く。

そもそも「ホストタウン」って何?

ところで「ホストタウン」っていったい何? 簡単におさらいしておこう。

簡単に言えば、内閣官房が登録し、東京オリンピックをきっかけに各自治体が諸外国と事前にスポーツ・文化交流などをしながら大会に向けてその国の選手団を応援したり学校給食で相手国の料理を食べたり、事前合宿を受け入れたり、大会後は地元で文化交流をしたり、という楽しそうな国の事業だ。

平成27年度に始まり、現在全国456件、528自治体が登録されて交付税の優遇措置もある。

昔からよくある姉妹都市とちょっと似ているが、姉妹都市は相手も日本も多くが市町村レベルの市民交流なのに対し、ホストタウンは東京オリンピック・パラリンピックを軸にした相手国と自治体との契約なので、もう少し大掛かりな感じだ。そして相手国探しも契約も、合宿辞退の話し合いも自治体が自分たちでしなければならない。

つまりあなたの町の役場職員が、日々相手国と交渉しているのだ。

お隣、埼玉県の事前合宿事情

東京の隣、埼玉県はどうだろう。以前、ホストタウンについて取材をお願いしたよしみで、お話を伺ってみた。

県の担当者によれば、交通の便がよく外国人が喜びそうな見どころも多い。市民体育館など練習場や大学生との練習などアスリートの受け入れ体制も充実しているため、ホストタウン・事前合宿の受け入れ自治体は多いという。

それぞれの自治体がホストタウンになったきっかけを、埼玉県を例に聞いてみた。

・前出の国体で競技場が造られてからその競技が盛んになった例のほか、
・川越市とタイ国空手選手のように地元にその国の方が長く市内在住でご縁があった例
・鶴ヶ島市とミャンマーにみる、第二次世界対戦で当時のビルマにお世話になった地元篤家が私財を投げ打って交流を続けている例
・大学が選手の練習場&合宿場所と学生による練習相手を提供する例
・前オリンピック会場のボート場があるため、戸田市がオーストラリアカヌー選手団を受け入れる例
などがある。

中にはオーストラリア柔道選手団のように上尾市と伊奈町の2自治体が受け入れるところも。全国ホストタウンの件数と自治体数が違うのはこうした例があるからだ。ただし、「選手がそもそもアジア枠代表選手になれそうになく来ないかも」とか「日本が定めた厳しい感染対策のために日本人選手と体を直接触れあう練習ができないので先方から断念」など、今回は事前キャンプが難しそうな自治体もあった。断念の理由は必ずしも「コロナ感染が怖いから」というだけではないのだと知った。

かと思えば、戸田市では「最近ルーマニアのボート選手が事前合宿に来ることが決まりました」と、新たな出会いも生まれている。

え、ちょっとまった!

だって最近は、感染拡大が原因で事前合宿が減少しているような報道ばかりではないか。なぜ、この場に及んで増えるのか。それは事前合宿と併せて行いたい「ホストタウン」交流は、あくまでもオリパラをきっかけに始める事業であり、大会終了後では認定されないからだ。(ちなみに戸田市とルーマニアはこの時点では事前合宿のみ※後述)。

実際、後日内閣官房の担当者にインタビューすると、

「あ、今日も1件増えました、ホストタウン」と、普通ですよって声で教えてくれた。

埼玉県戸田市の戸田漕艇場では、オーストラリアとルーマニアの選手団が事前合宿で練習に励む予定だ。
埼玉県戸田市の戸田漕艇場では、オーストラリアとルーマニアの選手団が事前合宿で練習に励む予定だ。
戸田漕艇場は1964年東京オリンピックでボート競技が行われた。その時の聖火台。
戸田漕艇場は1964年東京オリンピックでボート競技が行われた。その時の聖火台。

誰もわからなかった事前合宿の実態

でもなぜ、事前合宿やホストタウンが始まったのだろう。内閣官房担当者によれば2002年の日韓ワールドカップがきっかけだったという。

「あの時、大分県中津江村がカメルーン選手団の事前合宿を受け入れて評判になりましたよね」。あれいいんじゃない、ということで2020大会でも、という気風になり、ホストタウンの着想の基になったのだそうだ。外国から一流選手がおらが村に滞在してくれれば村の子どもたちへのいい刺激になる。ちょっとした国際交流もできそうだ、と。

そんなわけで、ホストタウンの自治体もこぞって事前合宿を取り入れたのだ。

と、ここまでしたり顔で書いておいて何だが、埼玉県担当者と話しているとき、思い切り誤解を指摘された。曰く、「ホストタウンは確かに内閣官房が担当する国の事業ですが、事前合宿は違うんです」

え、何それ?

私はこれまで漠然とホストタウンの一環に事前合宿があるのだと勘違いしていた。では事前合宿を取りまとめているのはどこなのか。これは誰に聞いてもなぜかうやむや。

違うかな?と思いつつ、思い切ってホストタウンを管轄する内閣官房に聞いてみた。そこで私は衝撃の事実を知る。

「事前合宿の実情は誰も把握していなかったんですよ。自治体や大学、企業が、いわばそれぞれに選手団を呼んでいるんです」

えっ!

だから誰も自治体数も相手国数も人数も知らなかったのだった。えっえっ!!

事前合宿をしないホストタウンもあれば、大会後に選手に数日滞在してもらって交流する自治体もある。だからホストタウン数=事前合宿数でもない。

そして事前合宿断念が増えたとしても、ホストタウン自体は全然減っておらず、むしろじわじわ増えているのだ。

やっとわかってきた事前合宿地の数と競技数

しかし何だかゆるい感じの事前合宿事情も、このコロナ禍では国も「わからないわ」では済ませられなくなった。同じ外国人選手を受け入れるホストタウンと同様の、厳しい対策をしてもらわなければならないとなったのだ。でも誰が数えるのか?

そこで白羽の矢が立ったのが、内閣官房のオリパラ担当者だった。ま、確かにホストタウンと事前合宿地は重なる自治体は多いしね。

「そこから苦労の日々が始まりました」と担当者は語る。47都道府県を通じて全1718市町村に事前合宿地を調べ上げてもらったのだ。中には大学や企業独自の合宿場所もあって、最終的にはそれも自治体の管轄にしなければならないという決まりがあるので、洗い出しは難航を極めた。

そしてわかったのは「およそ900の競技団体・個人選手が、約300自治体で事前合宿するということです。人数は……よくわかりません。選手自体が代表予選落ちということもありますし」と内閣官房担当者は苦笑した(5月31日時点)。それでもようやく事前合宿地の実態が把握できてちょっとほっとした声だった。

つまりこれが今、ニュースで辞退が続くと騒がれている「事前合宿」なのだった。(ちなみに6月1日、丸川オリンピック担当大臣が105の自治体で事前合宿を取りやめたと発表したが、もとが400以上なのだ!)

ふぅ〜、やっとわかった。でも疲れたわい。

 

 

それではまとめに入ります。

組織委が管轄するバブル対策は
「空港試合5日前から選手村試合―48時間以内に選手村退去帰国」

一方、ホストタウンや事前合宿を担う自治体が管轄する選手団へのバブル対策期間は
「空港数日〜1カ月程度事前合宿試合5日前から選手村試合―48時間以内に選手村退去事後交流2〜7日ほど滞在して地元住民たちとおにぎり作りやそば打ちなど文化交流・競技練習見学や指導帰国」

つまりホストタウン交流や事前合宿をすれば、ぐんと日本への滞在日程を増やすことができるのだ

その他、例えばアジア諸国など時差や気候風土にそれほど差がなく、日本での移動が多いとかえって感染拡大につながるとして、事前合宿を辞退、あるいは元々考えておらず組織委バブルだけを享受する選手団もある。そもそも選手村に入らず独自にホテルを予約する選手団もあるらしい。

だからバブルの大きさは、私たちが報道を聞いて想像するよりずっと変幻自在なのだった。

現場を担う自治体担当者の悲哀と愛と希望

こうして事前合宿地には、内閣官房が新型コロナウイルス対策の厳しい掟を定めた。

が、定められた方は、本当大変だ。冒頭に紹介した黒部市の極限までのバブル対策を始め、お話を伺った区市町村の担当者たちは、戦々恐々としているように見受けられた。

コロナ対策は次々に追加されるわ、予算配分は不明だわ、「バブル方式といっても陽気な選手団が本当にじっとホテルからの外出禁止を守ってくれるんだろうか」、「そもそも契約書を読み込んでくれるのか」、「契約書の翻訳のニュアンスが違って現地でトラブルになるんじゃないか」、何より「先方に確認しなければいけない内容が決まってなくて事前の相談もできない」。そして「万が一感染者が出た場合、地元の保健所が担当するのだが、その時医療が逼迫していたら大変だ」と、不安は募るばかりだ。

それでも彼らは健気にいうのだ。

「こんな時期にも関わらず来日するのだから、選手の皆さんには少しでも良い思い出を残していただきたい。制限が厳しい中では楽しみは食べること。だからせめて食事に気を遣いたいと思っています」(都内某区担当者)

それにしたって遥かなる異国の食文化の上に一流アスリートを支える特別な栄養食だ。選手らが自分で食事量を調整できるビッフェ形式もコロナ禍では難しく、こちらもなかなかにハードルは高い。

まあ、IOCのバッハ会長がいうには「来日する選手は75~80%がワクチン接種済みか接種の用意がある」とのこと。安心材料ではある。

「元気な選手団をお迎えして、元気にお帰りいただく」。たったそれだけのことがどれほど大変なことか。

「でもホストタウンは大会で終わるわけではないんです。コロナ感染が落ち着いたらまた、選手の皆さんやその国の方々と交流を再開したいですね」と、担当者たちは口を揃える。どんな形になるにせよ、オリンピック・パラリンピックというきっかけがあったからこそのご縁で国際交流ができることが、地元のこどもたちへの大きなレガシーとなるのだから。

そして6月1日、事前合宿第1弾のオーストラリアソフトボール選手団が、群馬県太田市にやってきた。こりゃまた長いが担当者の皆さんには本当に頑張っていただきたい!

聖火リレー以外に、聖火トーチ本体も静かに各地自治体の役所などを巡回展示している。
聖火リレー以外に、聖火トーチ本体も静かに各地自治体の役所などを巡回展示している。

アロエとアリンコ

「アスリートファースト」とよく言われるが、もしかしたら選手らと同年代の自治体担当者たちもまた、何年も何年もオリンピックに向けて努力を積み重ねてきた。時には崩れ、また積んで、とにかくコツコツコツコツコツコツ。

なーんて考えつつ記事執筆の合間に庭いじりをしていたら、先日のバッハIOC会長の言葉をふと思い出した。

「大会が可能になるのは、日本人のユニークな粘り強さという精神と、逆境に耐え抜く能力を持っているから」

そして、大きく育ち過ぎたアロエを移植しようと植木鉢を持ち上げたそのとき、真下の地面にいた大量のアリンコたちが、わちゃわちゃと焦りまくっていたのが見えた。

なんだか既視感あるなあ……この光景。

取材・文=眞鍋じゅんこ
撮影=鴇田康則