小田急線東北沢駅〜世田谷代田駅の地下化に伴い、全長約1.7kmの線路跡地を利用して2020年に生まれた新しいエリア「下北線路街」。カフェや温泉施設、コミュニティスペースなど続々と新施設がオープンしているこのエリアに、2022年1月20日にミニシアター『シモキタ-エキマエ-シネマ「K2」』が誕生する。コロナ禍で厳しい状況を強いられた映画界にとって、なんとも明るいニュースだ。

新しい映画館の形を目指す

『K2』の入居する「(tefu)lounge」施工中の様子を背景に立つ、大高さん(右)と、共同運営メンバーの北原豪さん。
『K2』の入居する「(tefu)lounge」施工中の様子を背景に立つ、大高さん(右)と、共同運営メンバーの北原豪さん。

劇場は下北沢駅構内の商業施設「シモキタエキウエ」に直結。運営は、クラウドファンディング・プラットフォームのMotionGallery代表を務める大高健志さんらが手掛けるinclineという企画団体。新型コロナウイルスが猛威をふるった2020年には、劇場を守るための基金「ミニシアター・エイド基金」の発起人も務めた。この『K2』も、クラウドファンディングによって開館に向けた費用を募った。開館に向けては「ミニシアターは、その街の文化を映す鏡のような場所であり、文化の多様性を私たちに教えてくれる場所」とコメント。単なる劇場ではなく、街の交流施設や、文化の結節点となる新しい映画館の形を目指す試みとなる。『K2』という劇場名は、住所となる「北沢2丁目」と、“最高峰の場所を目指したい”という思いから世界2位の高峰「K2」の2つの意味を掛け合わせてつけられたそう。

『K2』が入居する(tefu)loungeの外観。
『K2』が入居する(tefu)loungeの外観。

オンラインスクリーンでの特別上映プログラムも

演劇やライブハウス、数多くの飲食店がひしめく下北沢の街並み。
演劇やライブハウス、数多くの飲食店がひしめく下北沢の街並み。

こけら落としの上映作品は、『寝ても覚めても』や『ドライブ・マイ・カー』で知られる濱口竜介監督の『偶然と想像』。今後はオンラインスクリーンでの特別上映プログラムも用意されており、リアルとバーチャルを行き交う映画体験が期待できそうだ。

現在は、地元商店街の協力のもとで上映マナー動画を作成中とのこと。街の人たちとのいい意味でウェットな関係性は、さまざまな文化を内包してきた下北沢特有のもの。そんな雰囲気を保ちつつ自在に変化していく下北沢の街から、今後も目が離せない。クラウドファンディングは2022年1月31日までMotion Gallery公式サイトにて実施中!

文=吉岡百合子(編集部)

散歩の達人/さんたつ編集部
男女8人
大人のための首都圏散策マガジン「散歩の達人」とWeb「さんたつ」の編集部。雑誌は1996年大塚生まれ。Webは2019年駿河台生まれ。年齢分布は26〜55歳と幅広い。