『散歩の達人 日帰り山さんぽ』より、旅先で気軽に楽しめる散歩コースを紹介。歩行時間や歩行距離も明記しておりますので、週末のお出かけにご活用ください。 藤野駅から相模川の対岸を見ると、里山が広がっている。それが日連アルプスと呼ばれる山々である。その低山を縦走してから、戦国時代に烽火台のあった鉢岡山へ向かう。 <神奈川県 相模原市>

◆散歩コース◆

体力度:★☆☆
難易度:★☆☆

  • 登山シーズン 1月〜6月 9月〜12月
  • 最高地点 460m(鉢岡山)
  • 歩行開始地点 220m(藤野駅)
  • 歩行時間 4時間
  • 歩行距離 約10.5km

日連アルプスと鉢岡山(はちおかやま)はマイナーな山である。マイナーだけれども、なぜおすすめなのか。それはやはり眺望である。

同じく藤野駅から行く歩きがいのある鷹取山などに比べれば、こういってはなんだけれど、眺望の爽快感のようなものがダントツに上。中央線沿いの山と街の景色がいい。鉢岡山は戦国時代に烽火台を設置した山なので、展望はお墨付き。

藤野駅からバスで日連の山に近づいてもいいのだが、歩いてもたいしたことはないので、駅からさっそく相模川の対岸にある日連アルプスに向かって歩き出す。

日連大橋を渡って、そのまま行くと金剛山入口から日連アルプスへ上がることもできるが、手前で左の道に入る。道なりに進み、日連橋を渡り、日連グラウンドの先から登山口へ、つまり日連アルプスを東側から縦走する計画だ。

相模川に架かる日連大橋の上から上流部を望む。山梨県側では相模川を桂川と呼ぶ。
相模川に架かる日連大橋の上から上流部を望む。山梨県側では相模川を桂川と呼ぶ。

登山口の階段を上がり、まもなく「宝山・金剛山」の道標。ついでに「この先急坂 危険 ロープ使用してください」との道標。上がるとすぐロープ。急だ。看板に偽りなしだ。宝山にはベンチとテーブル。次は日連山ピーク。尾根道はけっこう狭く険しい感じ。里山といって侮ってはいけない。

日連山山頂。宝山も日連山にもテーブルとベンチあり。
日連山山頂。宝山も日連山にもテーブルとベンチあり。
藤野駅に併設された観光案内所で販売していた手作りの草餅。山では最高のチカラ餅になる。
藤野駅に併設された観光案内所で販売していた手作りの草餅。山では最高のチカラ餅になる。

杉峠の先の分岐から峰山へ。里山とは思えぬ中央線沿いの山々の眺望が素晴らしい。突端の八坂山をピストンして金剛山へ。杉峠まで引き返して、いよいよ鉢岡山へと向かった。

武田氏の烽火台があった鉢岡山へ

鉢岡山は戦国時代に武田氏の烽火台があった山。ここからの眺望もよい。中央線沿いの烽火台のある山々がいくつも見える。上野原の鶴島御前山、四方津の四方津御前山、岩殿山へと烽火で情報を伝えたのだろう。

藤野の街と日連大橋の眺望。別ルートの金剛山へ行く途中の登山道から。
藤野の街と日連大橋の眺望。別ルートの金剛山へ行く途中の登山道から。
鉢岡山からの眺望。中央左の小高い山は鶴島御前山、その奥の左のピラミダルな山は滝子山。右手のどっしりした山は権現山。
鉢岡山からの眺望。中央左の小高い山は鶴島御前山、その奥の左のピラミダルな山は滝子山。右手のどっしりした山は権現山。

来た道を戻って新和田峠から赤沢のバス停へと下りて行くと、右手の斜面の木々がそっくりなくなり、地面がむき出しになっていた。近くに人がいたので聞いてみると、ここは2019年の台風で土砂崩れのあった場所だという。崩れた斜面はすべて杉林。いまさらながら杉は雨には弱いのがわかる。ここでは2名の人が亡くなった。

新和田峠付近からの眺望。のどかでいいところだ。ここを下って行くとゴールのバス停。
新和田峠付近からの眺望。のどかでいいところだ。ここを下って行くとゴールのバス停。

その下にはもう1カ所土砂崩れの跡があり、ここでも1名の犠牲者。近くには斜めになった家も。台風の爪痕は容易には消えない。

災害が毎年起きないことを願いたい。

山歩きメモ

藤野駅からバスで金剛山バス停まで行き、金剛山登山口から金剛山へ上り、峰山から鉢岡山を往復して宝山へ縦走して戻るというコースだと短時間で終了可能。また赤沢バス停から藤野駅の逆のほうへ少し歩くと、ふじのアートヴィレッジがある。

アドバイス

低山だからと侮ってはいけない。宝山へ上がる急坂も要注意。尾根道もけっこう険しいところがある。今回は利用しなかったが、金剛山バス停から金剛山へ上がるルートにも急坂あり。

 

鮨ひろ

寿司屋さんらしからぬ山麓酒場発見!

藤野駅前には『風里』という食事&居酒屋があるが、今回は駅の右手にある寿司屋さんへ。寿司はもちろん旨いのだが、お通しがグッド。自家栽培の野菜を入れたどっさりサラダや白菜漬けで十分飲める。寿司を食べなくてもOK。

●11時〜20時頃、無休(臨時休業あり)。藤野駅から徒歩1分。☏042-687-2231

取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 日帰り山さんぽ』より