『昔ながらの喫茶店 友路有 浅草店』はレトロなムードたっぷりのお店。ここで食べたいのはやっぱりナポリタン。なんだか懐かしさを覚える定番のおいしさは、老若男女を魅了する一皿。仲間とおしゃべりに興じるもよし、ひとりでのんびりするのもよし。若い観光客から年配の地元民までが混然一体となりながら思い思いに過ごせるような、懐の深さを感じるお店。

あたたかみのある昭和風の喫茶店

浅草を東西に横切る新仲見世通りにある『友路有』。「トゥモロー」と読むその喫茶店は浅草最大のアーケード商店街に連なる建物の2階で店を構えている。

矢印の指す階段を昇っていこう。
矢印の指す階段を昇っていこう。

「昔ながらの」と冠している通り、お店の中はなんともレトロ。赤茶色のややコンパクトなテーブルにどっしり腰を下ろせるソファが並ぶ。

行き交う人を眺めたい窓側の席。
行き交う人を眺めたい窓側の席。
文庫本がぎっしり詰まった本棚も見どころ。常連さんが寄贈してくれるのだとか。
文庫本がぎっしり詰まった本棚も見どころ。常連さんが寄贈してくれるのだとか。

どこか郷愁を誘う「喫茶店のナポリタン」

ミニサラダとスープが付いて980円。
ミニサラダとスープが付いて980円。

ノスタルジーな気分を高めたいならナポリタンを注文しよう。その名も「喫茶店のナポリタン」。

誰もが親しみやすい一皿は、モチっと食感のパスタに、キッチンでイチから手作りするケチャップソースが絡んで、なんともジューシー。酸味は控えめでほのかに甘さを感じ、あとをひくおいしさ。忘れていた昔の記憶に触れるような味わいは、これぞ王道のナポリタン。

ナポリタンと同じくらいよく売れるというポークジンジャー。すっきり甘辛いソースがモチモチの豚肉に絡んで美味。ライスとサラダ、スープが付いて1180円。
ナポリタンと同じくらいよく売れるというポークジンジャー。すっきり甘辛いソースがモチモチの豚肉に絡んで美味。ライスとサラダ、スープが付いて1180円。
『友路有』オリジナルブレンドの豆をお店で挽くから風味も際立つ。友路有ブレンド500円。
『友路有』オリジナルブレンドの豆をお店で挽くから風味も際立つ。友路有ブレンド500円。

『友路有』は、どなた様もウェルカム

席が空けば、しばらくしてまた一組が着席する。取材時はずっと満席に近かった。
席が空けば、しばらくしてまた一組が着席する。取材時はずっと満席に近かった。

いろいろなお客さんがいる。文庫をパラパラとめくるお客さん、頬杖をついて窓辺で外へ視線をやるお客さん。今風に着物を着こなしているお客さんは観光かな、若い3人組は多分ゲーム仲間で、あのグループは浅草で一緒に育った同級生、久しぶりの再会ってとこだろう。新聞を広げている常連さんらしきご老人は毎日同じ時間にいるのかもしれない……。

勝手なことを思いながら店内を改めて見渡す。さぞかし歴史のあるお店なのだろうと聞いてみると、意外にもまだ10数年ほどだそう。

ペンダントライトの灯りに癒やされる。
ペンダントライトの灯りに癒やされる。

スタッフの庄野さんは、『友路有』で人と人のつながりの濃さを感じとっている。平成生まれだから昭和は語れないけれど……と、前置きしつつ「ここには人情みたいなものがあるのだと思います」と言う。お客さんからお見合いを紹介されたときはさすがにびっくりしたそうだ。

『友路有』で働いて2022年でもう6年目。
『友路有』で働いて2022年でもう6年目。

時の流れをぎゅっと凝縮したような『友路有』は昭和を知っている人も、そうでない人も、それぞれの心にある懐かしい時代を思い出す。せわしない日々に疲れたら、またくつろぎに行こう。

愛煙家さんの居場所はちょっと狭くなったけど、まだちゃんと守っています。
愛煙家さんの居場所はちょっと狭くなったけど、まだちゃんと守っています。

昔ながらの喫茶店 友路有 浅草店(ムカシナガラノキッサテン トゥモロー アサクサテン)
住所:東京都台東区浅草1-29- -2F/営業時間:6:30〜20:00/定休日:無/アクセス:地下鉄浅草駅から徒歩5分

構成=フリート 取材・文・撮影=宇野美香子