神楽坂駅から徒歩1分、神楽坂通りから1本路地に入ったところにある肉料理店『しゃぶしゃぶ シャ豚ブリアン』。幻の豚肉と名高い、群馬県・加藤畜産の加藤ポークを使ったしゃぶしゃぶのほか、生姜焼きやヒレカツ、黒酢酢豚などが人気だ。ランチはラーメンを展開しているという。肉にこだわる店のラーメンの味はいかに⁉  いざ実食だ!

名だたる名店を作り上げたオーナーシェフが生み出すオリジナル料理

地下鉄の階段を上がって、神楽坂のメイン通りから路地に入る。路地への入り口には店のメニューが掲示されているのはありがたい。グーグルマップを見ても逆方向を歩いていく重度の方向音痴である筆者でも、どの路地に入ったらいいかすぐわかる。

メインの神楽坂通りから路地への入り口にある店の案内板。ここから入れば間違いない!
メインの神楽坂通りから路地への入り口にある店の案内板。ここから入れば間違いない!
木の温もりを感じる店舗。入り口にある大きな木の樽が目印だ!
木の温もりを感じる店舗。入り口にある大きな木の樽が目印だ!

店の目印は、入り口にある大きな樽。店に入ると、オーナーシェフの宮野長司さんが迎えてくれた。宮野さんは、3年連続米紙『ニューヨークタイムス』にてエグゼクティブシェフとして三ツ星の評価を得た経験をもつ凄腕だ。牛肉ブームの火付け役といわれる有名焼肉店の立ち上げにも関わった。

「でも、実は私は豚好きなんです(笑)。誰にも作れない、オリジナル料理を自分の店で作ってみたくて2017年3月に『しゃぶしゃぶ シャ豚ブリアン』をオープンしました」と宮野さんは語る。

凄腕シェフ・宮野長司さん。引き締まった体は、日々、水泳でトレーニングをしている賜物だ。
凄腕シェフ・宮野長司さん。引き締まった体は、日々、水泳でトレーニングをしている賜物だ。

店名にもなっているシャ豚ブリアンとは、豚1頭からわずかしか取れない豚ヒレ肉の中心部分だけを使ったヒレカツ。また看板メニューのしゃぶしゃぶは、牛のテールスープでいただく水炊き風で、希少なブランド豚、幻のくちどけ加藤ポークと松坂ポークがいただける。

宮野さんは、群馬県太田市のブランド豚『加藤ポーク』の魅力を熱っぽく語る。「しゃぶしゃぶにしてもアクが出ないんです。融点が低くて、脂が口の中で溶けてしまうほどです。肉質がきめ細かくてやわらかく、フルーツを食べて育っているから肉に甘味もあるんです」。

ふわっとショウガが香り、滋味深いスープが五臓六腑に染み渡るテールスープのラーメン

この店のオープンにあたり、おいしいものを作りたいとメニューを考案した時に「浮かんできたひとつがラーメンだった」という宮野さん。4〜9月のランチメニューにはつけ麺や冷やし坦々麺が登場。10~3月はアツアツスープのラーメン中心のラインナップになる。

今回は平日限定で、通年オーダーできるテールスープのラーメン900円にした。

テールスープのラーメン900円。ディナー時もオーダーが可能だ。
テールスープのラーメン900円。ディナー時もオーダーが可能だ。

臭みが一切ないスープは、口に入れた瞬間にショウガが香る。サラサラとして、スッキリなのにコクが深くて旨味がじんわり口の中に広がる。平たい太ちぢれ麺がそのスープを持ち上げてくれるので箸が進む。最初は繊細な味のスープなので力強い麺に負けてしまうと思ったが、なかなかどうして。このくらいパワフルな麺がちょうどいい。

加藤ポークのチャーシューもしっとりして柔らかい。チャーシューが鮮やかなバラ色なのに、しっかりタレの味が染みているところもすごい。薬味の金ごまや長ネギのサポートもしっかりいい仕事をしている。

スッキリとした口当たりだがしっかりコクがあるテールスープに、平太ちぢれ麺がよく絡む!
スッキリとした口当たりだがしっかりコクがあるテールスープに、平太ちぢれ麺がよく絡む!

スープも残さず完食後、口元にはねたスープをハンカチでぬぐいながら、おいしさの余韻に浸っていると、「テールスープは3日かけて作るんです。ショウガとニンニク、鶏油も加えています。このスープはもともとしゃぶしゃぶに使っていて、ラーメンにしてもいいよねってことでランチに出すことを始めたんです」と、宮野さんは続ける。

「加藤ポークのチャーシューは、肩ロースをタレにつけて窯で焼いているから香ばしいでしょう? もともとはおつまみ用として出していたのだけど、それだけじゃもったいなくて、ラーメンにも使っています」。サラリとおっしゃるけれど、900円のラーメンにしてはグレードが高い味わい深さだ。

チャーシュー、極上のスープ、モチモチの平ちぢれ麺とどれも素晴らしく、丼の中は極上のフルコースだ。

3日間かけて作るテールスープ。寸胴で1日中炊き、2日目に白濁させて3日目には濾して使う。写真は3日目のもの。
3日間かけて作るテールスープ。寸胴で1日中炊き、2日目に白濁させて3日目には濾して使う。写真は3日目のもの。

食通が集う神楽坂の路地裏に自分の店を出したかった

日本だけにとどまらず、世界でも活躍してきた宮野さん。自分の店を出すことになり、かの地に選んだのが神楽坂だったという。

「神楽坂は食通が多いイメージがあったし、私も個人的によく行くお店があったりして好きな街なんですよね。神楽坂に自分の店を出すなら路地裏がいいというのもありました。今の物件が見つかった時、個人でやるにはちょうどいい間取りだなと思いました」。

1階はひとりでもふらりと入ってカウンターで楽しめるバースタイル。
1階はひとりでもふらりと入ってカウンターで楽しめるバースタイル。
2階はグループやファミリーで楽しめる。ソファになっているので小さな子どもがいても安心。
2階はグループやファミリーで楽しめる。ソファになっているので小さな子どもがいても安心。

洗練された大人の空間にひかれ、近所のオフィスに勤めるビジネスパーソンや地元に住む人々がやってくる。そんな人たちに隠れた人気なのが、クリームチーズのフロマージュドゥ最中(箱なし)1200円だ。

フロマージュドゥ最中は、クリームチーズ、りんごとイチジク、ハチミツを入れた餡をサクサクの最中に入れて食べる和洋折衷の新感覚お菓子。季節によりフルーツが変わる。箱入り1800円にすれば、おしゃれな手土産としても喜ばれそう。

フロマージュドゥ最中(箱なし)1200円、(箱あり)1800円。
フロマージュドゥ最中(箱なし)1200円、(箱あり)1800円。

店内の料理だけでなく、お土産も充実している至れり尽くせりな店である。庶民的なお値段のランチをきっかけに、絶品豚しゃぶのディナーにも足を運びたくなった。

しゃぶしゃぶ シャ豚ブリアン(しゃぶしゃぶ しゃとんぶりあん)
住所:東京都新宿区神楽坂6-29 田口ビル1階/営業時間:11:00〜14:00LO・17:00〜21:30 LO (土は11:00〜14:15LO・17:00〜21:30 LO、日・祝は11:00〜14:15LO・17:00〜21:00 LO)/定休日:不定/アクセス:地下鉄東西線神楽坂駅から徒歩1分

構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=パンチ広沢

アート・サプライ
編集プロダクション
1971年創業の編プロ。「旅&食&散策」ジャンルに強く、情報誌では子供向けから鉄道やドライブでの大人旅まで。さらにグルメ系ではラーメンや唐揚げ専門情報誌をはじめ、日本全国うまいもの紹介なども手掛けている。