錦糸町南口を出て徒歩10分、鴨と水のみで炊いた鴨のスープで人気のラーメン屋『中華そば 満鶏軒(まんちーけん)』にたどり着く。看板メニューは、鴨のスープに塩を加えた鴨中華そば(塩)1200円。鴨のロース肉とモモ肉を贅沢にトッピングした鴨を堪能し尽せるラーメンを実際に味わってみた。  

鯛の次は鴨。有名店『麺魚』の店主が手がけるセカンドブランド店。

錦糸町南口を出て京葉道路を渡り、丸井を横目に歩くこと約10分。到着したのが『中華そば 満鶏軒』。人気ラーメン店『真鯛ラーメン 麺魚』の跡地にあるこちらのお店は、同店の店主・橋本友則さんがオープンさせたセカンドブランド店である。

店舗向かって右側には鯛の絵が。『麺魚』の時の名残なのだそう。
店舗向かって右側には鯛の絵が。『麺魚』の時の名残なのだそう。

上品であり、かつ濃厚。そんな絶妙な味わいのスープを求めて訪れる客で行列の絶えない『真鯛ラーメン 麺魚』。魚ベースのラーメンの次は鶏ベースのラーメンを出すと決めていたというオーナーがオープンさせた待望のラーメン店が『満鶏軒』だ。こちらも瞬く間に人気を博し、現在では渋谷や本郷三丁目にもフランチャイズ展開をしている。

スープにも、トッピングにも。鴨をまるまる贅沢に使用

『中華そば 満鶏軒』を任される店主の武部さん。
『中華そば 満鶏軒』を任される店主の武部さん。

平日・休日問わず食事どきには満席になるという満鶏軒の特徴は、なんと言っても“鴨と水だけ”で炊いた鴨100%の純スープ。

鴨1羽をさばき、ロース肉とモモ肉はチャーシューへ、その他の部位は水と合わせてじっくり丁寧に煮て出汁をとっていくのだそう。

モモ肉は提供前に炙る。
モモ肉は提供前に炙る。

切り取ったロース肉とモモ肉はすぐに真空低温調理をし燻製にかける。居酒屋やレストランなどで鴨のロース肉はよく見かけるが、モモ肉というのは珍しい。これも、鴨1羽をまるまる仕入れている満鶏軒ならではの強みだと店主の武部さんは語る。

今回は、鴨の純スープにストレート麺、真空低温調理をした鴨チャーシュー2種と小松菜、煮卵、のり、ゆずが贅沢にのった一番の人気メニュー特製鴨中華そば(塩)をいただいた。

鴨・水・塩、仕上げにフォアグラ油。余計なものは一切なしの渾身の一杯。

鴨、水、塩、フォアグラ油のみというのを体現しているかのような透明なスープ。
鴨、水、塩、フォアグラ油のみというのを体現しているかのような透明なスープ。

鴨中華そば(塩)のスープは、鴨の純スープに塩と鴨から抽出した油を加え、仕上げにフォアグラ油を数滴垂らし完成だ。

まずは一口いただいてみる。何ともやさしい、ホッとする味わいだ。油っこさやまろやかさはほとんどなく、かなりあっさりとしている。“淡麗なラーメン”の代表と言えるのではないかと思うほど、とことんクリアなうま味。開店前の朝9時にお邪魔した筆者の喉をすっと通り、空腹のお腹の中へ優しく染み渡っていく。

 

鴨スープに合うように作られたという麺は、少し硬め。歯ごたえがありツルッと喉越しも抜群。
鴨スープに合うように作られたという麺は、少し硬め。歯ごたえがありツルッと喉越しも抜群。

しかしながら、麺は少し硬めのストレート麺で歯ごたえがあり、やさしいだけではないのが『満鶏軒』のラーメンだ。鴨のスープに合うように試行錯誤して作ったという麺は、細すぎない中細麺で噛みごたえがありつつ喉越しも良い。

ほどよい脂身のあるロース肉は、柔らかく筆者も感動!
ほどよい脂身のあるロース肉は、柔らかく筆者も感動!

分厚くスライスされたロース肉はかなり柔らかく、ほどよい脂身も美味しい。

噛みごたえがあり肉肉しいモモ肉。味わいも食感も異なる2種の鴨肉がたべられる何とも贅沢なラーメンだ。
噛みごたえがあり肉肉しいモモ肉。味わいも食感も異なる2種の鴨肉がたべられる何とも贅沢なラーメンだ。

一方モモ肉は、噛み応えがあり噛むたびに鴨の旨みが口いっぱいに広がっていく。「鴨肉は特有のクセがあるので、苦手な人もいる」と語っていた店主だったが、筆者としては今まで食べた鴨肉の中で、一番と言っていいほど臭みを感じなかった。

さらに、トッピングされたシャキシャキの小松菜がこれまた良い味を出している。オーナーの橋本さんが、船橋の地元農家から毎朝採れたての小松菜を仕入れているのだそう。なるほど……、この青さとシャキシャキの食感にも納得だ。

半熟具合も味わいも申し分なし。半熟卵の頂点なのではないかと思わせるほどの味わい。
半熟具合も味わいも申し分なし。半熟卵の頂点なのではないかと思わせるほどの味わい。

まるまる1個トッピングされた卵を半分に割ってみると中からは半熟の黄身が姿を現した。こちらの卵も、スープと塩で漬け込んだものを燻製しているのだそう。しっかり味がしみこんでおり、半熟具合も完璧だ。

ほどよいところで、味変としてトッピングされたゆずを溶かしてみる。塩とゆずが合わない訳がないのだが、予想通りゆずの風味が加わって、これまた美味である。

1杯食べると、鴨を味わい尽くした満足感で満たされた。「特製」と名の付くメニューは、トッピングの鴨肉の量が増えるそうで、かなり満腹になる。残りのスープをご飯にかけていただく雑炊セットも人気なのだそう。次の来店時には雑炊セットを頼むと心に誓い、店を後にした。

『中華そば 満鶏軒』店舗詳細

中華そば 満鶏軒 錦糸町店(ちゅうかそば まんちーけん きんしちょうてん)
住所:東京都墨田区江東橋2-5-3/営業時間:11:00〜21:00/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄錦糸町駅から徒歩10分

取材・文・撮影=宮下沙絵子